「性差別発言をやめない」日本の政治家の非常識 麻生太郎副総理は2年連続ワースト1位

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6位と8位の、女性のルックスに関する発言も気になりました。稲田朋美さんは、2017年の国際会議で「見たらわかるように、(私たち女性大臣3人には)共通点がある。同じ性別で、同じ世代で、全員がグッドルッキング」と発言し、海外記者をドン引きさせた過去を忘れたのでしょうか。

このニュースが報じられた当時、ネット上では、「自分のことを美しいなんて、そりゃ失笑を買うわ」といったコメントがあったことを覚えています。違う違う、そうじゃ、そうじゃない。

政治家は容姿で評価されるべき仕事ではありません。しかしとくに女性の場合、どんな職業であったとしても簡単に容姿の評価に晒されてしまう傾向があります。美人と褒めたり、ブスとけなしたりすることが問題ではなく、そもそも職場で女性の容姿を評価しようとする姿勢自体が問題なのです。

オバマ前大統領も在任中の2013年、司法長官に就任した女性を「アメリカの司法長官としては抜群の美人」と「評価」し、国中から「性差別主義者」「女性を容姿で判断している」などの批判を招きました。

そんなご時世に、女性大臣自らがルックス評価を始める日本。ジェンダーギャップが153カ国中121位、G7中最下位なのもうなずけます。

止まらない政治家の性差別発言

前回のこの投票キャンペーンでは、セクハラ・性暴力に関する失言が複数入りました。今回は入っていませんし、この投票キャンペーンの対象は国会議員ですが、昨年末に区議会議員らが伊藤詩織さんの民事訴訟勝訴について、こんなツイートをしていたことが注目を集めました。

【沓沢(くつざわ)亮治・豊島区議員】
「性交相手の男を、女性が社会的・経済的に攻撃できるという判例ができてしまいました。恋をして結婚したい男女にとって最悪な判決です」
「性交事後訴訟から男性を守る目的で『性交承諾書』のフォーマットを作成してみました」※実際に手作りしたと思われる「性交承諾書」の画像を添付
【吉田康一郎・中野区議】
私は一般論として、薬を盛られたのでなく自主的に「男性の前で記憶がなくなるまでお酒を飲んだ」女性は「女として落ち度がある」と思いますし、性別が逆でも同じだと思います。「セカンドレイプに当たる」と考える方は、法廷にお呼び出し下さい。

こういった発言の何が問題か、すでに批判を紹介する記事が出ていますし、「わかっている人にとっては耳タコの内容」「わからない人は何を言っても理解する気がない内容」だと思いますので繰り返し解説はしません。

ですが、吉田元都議も沓沢議員も、普段どんな人のツイートを参考にしているのか手に取るようにわかる内容です。そんなに自信があるなら次回出馬の際にはぜひこのコメントを選挙カーと事務所に掲示すればいいのでは。

小川 たまか ライター

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おがわ たまか / Tamaka Ogawa

1980年、東京都出身。ライター。文系大学院卒業後、フリーライターを経て2008年から編集プロダクション取締役。2018年4月に独立し、再びフリーライターに。2015年頃から主に性暴力の取材に注力。Yahoo!ニュース個人「小川たまかのたまたま生きてる」などで執筆。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(タバブックス)は初の著書。

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