震災から3年、漂い始めた停滞感

「もろさ」変わらぬ日本市場

「経常赤字国」のレッテル

日本には対外純資産が約300兆円あるほか、個人金融資産も1600兆円あることから、すぐに国債ファイナンスに懸念が出ることはないが、国の借金が増え続ける中では「100年安心」とはいかないのが現状だ。

しかしながら、足元の円債市場で気にする「そぶり」はほとんど見られない。1月の経常赤字は市場予想を上回ったが、日本の10年債金利は0.625%と前日から小幅上昇した程度だった。日本の10年債金利は、震災前に1.29%程度だったが、足元では0.6%台にまで低下している。

株価が上昇しても、金利が低下し続けているのは、日銀の金融緩和が効いているからだ。新発国債の7割を購入するという黒田日銀の「異次元緩和」が金利低下に拍車をかけており、流動性が低下した円債市場は「日銀次第のマーケットになっている」(大手証券債券担当者)という。

みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「日本では日銀が民間の資金フローとは別のところで、国債を大量に購入している。日銀の金融緩和が続く間は、金利が急騰する可能性は低い」と指摘したうえで、円安に歯止めが効かなくなれば、日銀の金融緩和も一時停止を迫られることになると警告する。

「経常赤字国」のレッテルは、海外投機筋に狙われやすい。「経常赤字国になれば、海外投資家の視線が変わってくる可能性もある。もっと生産性を高める競争力強化などに資金を投入しなければ、日本経済はじり貧になる」(第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏)。円売りを仕掛けられないように、また仕掛けられたときに耐えられるように、日本経済が上向いている今のうちに、「体力」を回復させておく必要がある。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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