米国人だって、男女の役割に苦しんでいる 超人・サンドバーグみたいには生きられない

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娘は、母とはちがう選択をする

――母親世代よりはずっと若い40代のシェリル・サンドバーグさん(フェイスブックCOO)は、仕事と家庭と子どものすべてを手に入れる生き方を実現し、著書「LEAN IN」で「辞めなければいけない時まで辞めないで」とアクセルを踏み続けることを推奨しています。こうしたアドバイスについてはどう思われますか?

彼女のアドバイスは、会社のある程度上のところに来ている人にとってはいいアドバイスだと思います。でも、そんな人は一握りしかいませんから、ほとんどの人にとって、アドバイスになっていません。

――「ハウスワイフ2.0」の特徴のひとつが、野菜を育てる、パンを焼く、母乳で育てる、「アタッチメント育児(赤ちゃんの出す合図に即座に答える、泣いたらすぐにあやす、親子が同じベッドで川の字になって寝るなど愛情いっぱいの育児法)」をするなど、家事・育児にとてもエネルギーを注ぐことです。それは、自分たちが、ワーキングマザーだった母親から十分に手をかけてもらえなかったことへの不満からきているのですか?

子育ては、いつも振り子のように、お母さんがやっていたことの逆の方法をやる傾向にありますよね。実際、われわれ世代は、お母さんにあまり構ってもらえなかったという思いもあります。母親世代は女性も弁護士やコンピュータ・プログラマなど、専門的な仕事に就かなければいけないと思い込んでいた働き蜂で、家事なんて時間の無駄だと、できるだけ手を抜いてきたから。

――それにしても、それまで企業社会で刺激的に働いていた女性たちが、田舎での家庭にこもった生活で満足ができるのでしょうか?

「ハウスワイフ2.0」のほとんどが、何らかの仕事をしています。ブログを書いて広告フィーを稼いだり、フリーランスのライターをやったり、クラフトや編み物をオンライン上で売ったりしています。

――ちなみに、アメリカでもワーキングマザーと専業主婦の対立構造はあるのですか?

ええ。「マミー・ウォー」という言葉があるくらいで(笑)。ワーキングマザーは専業主婦はレイジーだと言うし、専業主婦はワーキングマザーをテリブルマザー(ひどい母親)だと思っている。日米に限らず、世界中そうじゃないですか? 働く母親は、何をやっても大概は批判されるのです。どこにも勝ち目はありません。

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