とはいえ、少ない収入でいいの?
――ところで、「ハウスワイフ2.0」たちの収入は、旦那さんよりだいぶ低いですよね。すると、家庭内での男女平等が保たれないということはないですか?
確かに、夫より収入はかなり低いです。自分たちが期待したほどには、稼げていません。ただし、私が取材した人たちは、私たちは男女平等だし、夫がサポートしてくれているからこそ、こういう生活ができると言っています。
また、「ハウスワイフ2.0」は、新しい服も買わず、自分たちで野菜やパンを作る、子どものおもちゃも衣服も手作りするなどして、家計に貢献もしています。
――「ハウスワイフ2.0」は自分たちも高学歴なだけに、いくら生活を切りつめても、子どもの学費だけはケチりたくないという人が多いのではないでしょうか。アメリカの大学の1年間の学費は平均して 州立大学で1万6000ドル、私立大学では3万7000ドル強だそうですね。「ハウスワイフ2.0」の暮らしで、子どもの分の学費を捻出できるのでしょうか?
そのうえ、アメリカは国民皆保険ではなく、医療費が高い。このあたりの問題は、正直、解決していません。
――そうですか。もしかしたら、妻の「ハウスワイフ2.0暮らし」を支えるために、旦那さんが犠牲になり、ボロボロになるまで働いているのではないかと気になりまして。
確かに、若い女性が自分の母親のようにはなりたくないと思っているとしたら、若い男性だってそれ以上に父親のようにはなりたくないと思っているはずですよね。実際、若い男性の大半が、仕事を減らして家庭を大切にしたいと思っています。でも、現実にそれがかなうのは女性だけ。男性は相変わらず家族を養う役目を背負わされています。
男性も女性も仕事と家庭を両立して、自分の価値観に従って生きられるようにするには、やはり社会を変えていくしかありません。それこそが私が本書を書いた動機ですし、われわれの世代がその気になれば、それができると思っています。
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