第1志望落ちた子に親がかけてはいけない言葉 結果だけにフォーカスした発言は絶対NGだ

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もっと言えば、実は何も言わないのがベストです。結果を知って、一緒に泣くだけで十分。親が泣くところなんて、子どもはめったに見ませんから、親が同志として一緒に受験プロセスを考えてくれていた、ということはしっかりと伝わります。ひとしきり泣いたら、まったく関係のない話をして盛り上げてあげるだけでも、子どもとしては十分に癒やされます。

親は、子どもの心情に寄り添い共感してあげるだけで十分であり、一緒に落ちた原因を究明する必要はないし、まして、落ちたことを叱責したりするのは論外です。

親が高学歴だったりすると、子どもへの期待度が高く、受験に落ちて叱責する、ということがよく起きるのですが、これは単なる親のエゴ(「俺の子どもなんだから受かるに決まっている。受からないのは勉強していないからだ」といった考え)の押し付けにすぎません。親と子どもは別人格であり、「俺ができるんだからお前も」というジャイアン的な考え方は通用しないと思ってください。

第2志望に行くのか

最後に、第1志望には落ちたが第2志望には合格した場合(とくに大学受験の場合)、第2志望に行くか浪人して第1志望を目指すのか悩む、ということが起きます。

この場合には、親としては意見を求められたときにだけ自分の意見を言うようにしましょう。そして、ここでも押し付けは厳禁で、あくまで子どもが決める、という形を取るようにしてください。理想的には、どちらの選択肢も正解になりえることを言及するべきです。

「◯◯大学に行っても十分将来の可能性はあると思うよ。もちろん浪人しても長い人生だから1年くらいどうってことない。第1志望の◯◯大学をもう1度目指すというのもいいと思う」

実際、どちらを選ぼうとも、子どもが納得して選択できたのであればそれは正解です。人生なんて、その後も結婚、出産、転職、住宅購入など、選択の連続です。つねに正解を選ぶという発想では何もできず、選んだ道を正解にするのがあるべき姿でしょう。

視野が狭くなっていて、「第1志望だけが正解」という考えにお子さんがとらわれているとしたら、その考えを解きほぐして新たな気づきを与えてあげるのが親の役目だと私は思います。お子さんが納得のいく選択をする後押しをする、というスタンスでアドバイスすれば、自然とそうした発言になるはずです。

皆さんのお子さんが、納得のいく人生を選択することを強く強く願っています。最後まで同志として駆け抜けてください!!

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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