「今後の社会保障改革について ―2040年を見据えて―」(厚生労働省)で社会保障の長期推計が行われており、「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」等について「バックデータまとめ」の「経済前提」にGDPの見通しの数字があります。
そこにある数字から計算すると、名目GDPの2018年度から2040年度の期間の平均成長率は、成長実現ケースで2.30%、ベースラインケースで1.50%です。
民間研究機関の予測もあります。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、「日本経済の中期見通し(2018~2030年度)」において、実質GDP成長率を、次のように予測しています。
・2021年度から2030年度:0.7%
みずほ総合研究所は、「日本経済の中期見通し」において、2015年度から2028年度の実質GDP成長率を1.0%と予測しています。
成長率を規定する3つの要因
長期的な経済成長率を規定する要因として、次の3つがあります。
(2)資本ストック
(3)TFP(全要素生産性)
これらについて次回以降に詳しく見ることとしますが、あらかじめおおよその見通しを述べると、次のとおりです。
まず労働力。年齢別の労働力率が現在と変わらないとすると、今後の日本では、若年者が減少するために労働力は大きく減少することになります。
これに対処するためにさまざまな施策が必要ですが、それを行ったとしても、減少を食い止めるのがやっとでしょう。現状維持が達成できれば大成功ともいえます。悪くすると、労働力の伸び率がマイナス1%程度になってしまう可能性があります。
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