演奏に順番待ち、江古田「駅ピアノ」は誰が弾く? 西武鉄道や地元大学の熱意で実現
3大学の学生や地元住民たちとワークショップを行い、歩いて感じた魅力をどのような形で表現すれば伝わりやすいかブレーンストーミングが行われた。そのときに出たのが以下のキーワードだ。
迷子になりながら旅できる『江古田で迷子旅』
人にこっそり伝えたくなる『人に耳打ちしたくなるような街』
いろんな魅力がつぎはぎされている『パッチワークな江古田』
何でも包み込んでくれるような大らかな江古田『FREE HUGS EKODA!』
4回にわたるワークショップでは、フィールドワークで得られた観点をもとに駅改札内外および階段に江古田の魅力を表現したデザインを作成したり、江古田を題材とした記事を制作するためのノウハウをプロの編集者から教わったりした。
ピアノを提供した大学は?
その中で出てきたアイデアの1つが江古田駅のピアノだった。
もともと地域の方や学校関係者たちから「江古田駅にピアノがあればいいな」という声は少なからずあった。 2019年8月10日付東洋経済オンライン記事(東長崎、江古田…西武線"地味な駅"にある風情)では西武鉄道の幸田篤司・練馬駅管区長も「江古田駅にピアノを設置してみたい」という希望を語っている。
「江古田駅にピアノ」――。この言葉で、街の人と鉄道サイドの気持ちが1つになった。
しかし駅という不特定の人が行き交う場所。そこにピアノを設置する面白さもあれば、同時にメンテナンスも煩雑になる。 そして何よりもどこからピアノを持ってこようか、という問題もある。
一肌も二肌も脱いでくれたのが武蔵野音楽大学だった。駅という半屋外にも等しい環境では、暑さや寒さ、直射日光の影響を受けてピアノが破損してしまう可能性がある。それにもかかわらず「本校が用意しましょう」と言ってくれたのだ。なんとも心強い味方である。
駅の業務に追われる駅員に代わって、11時から始まり15時に終わるピアノの開け閉めを含む管理は西武鉄道と株式会社ファミリーマートが共同展開している駅ナカ・コンビニの「トモニー」が担当してくれることになった。
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