新幹線だけど在来線、「博多南線」どんな路線? "ややこしい存在"だが、通勤通学で活躍する
途中までは九州新幹線と同じ線路を走るわけで、ダイヤ設定にはなかなか苦労しているようだ。「直接の担当者ではない」としたうえで、津隈さんは次のように話す。
「東海道・山陽・九州と新幹線はつながっていますからね。どこかが変わればすべてが変わる。特に博多駅では、輸送密度が上がっており、利便性の高い乗り場の運用に苦慮しています。ダイヤは山陽・九州新幹線とのバランスの中で決めなければなりませんので」
博多南駅のホームは8両編成までしか対応していない。そのため、東海道・山陽新幹線を直通する16両編成の列車を充当することは不可能だ。博多駅のホームに空きがなければ博多南線内折り返しの列車の設定も難しい。
「それでも今年3月のダイヤ改正では2本増発する予定です。11年ぶりですね」(津隈さん)
いろいろ注意が必要な路線
博多南線で見られる車両は500系・700系ひかりレールスター・N700系の3種類。N700系にはグリーン席があるが、こちらを利用する場合にはグリーン料金がかかるから要注意だ。
また、博多南線は鉄道ファンはともかく日常的に利用する地元の人たち以外にはほとんど知られていないのが実情だという。そのため、「博多行き」の山陽新幹線「こだま」に乗って眠りこけ、目が覚めたら博多南駅に着いていた……などという事例もときおり発生しているのだとか。
博多南駅はまさに車両基地と住宅地しかないような駅だから、すごすごと折り返し列車に乗って博多まで戻るしか手はない。
「あとは博多駅で九州新幹線と間違えて乗られるお客さまも稀にいらっしゃいます。博多南線が出発してその次に九州新幹線、という場合に間違えられるようで……。駅でのご案内には気をつけるようにしています」(津隈さん)
山陽新幹線「こだま」で博多を目指す折には博多南線に要注意。けれど、どうせならついでに博多南線という一風変わった新幹線の通勤電車の旅を楽しんでみるのも、おもしろいかもしれない。
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