「30代女性の婚活」はなぜ苦戦してしまうのか 20代の頃は「体の関係=付き合う」だったが…

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また、婚活アプリで出会った某有名メーカーの男性がいた。毎日LINEが来て、ランチデートを2回ほどした。見た目もタイプだったし、話も面白く、仕事も手堅い。結婚相手にはもってこいの相手だったので、このまま付き合って結婚できたらいいなと期待していた。3回目は夜のデートとなり、食事の後にホテルに誘われたので、そこで男女の関係になった。これで恋人同士になれると思っていたら、ホテルでエッチを終えた後に、こんなことを言われた。

「一度胸のデカイ女とやってみたかったんだよ」

その言葉を聞いて、遊びだったことがわかった。

由美子は、私に言った。

「3回目でホテルに行ったのが早かったんですかね。ただ20代の頃って、エッチをするとそこから暗黙の了解で付き合うようになってた。ところが30歳を過ぎてからは、エッチをするとそこで終わってしまう。その後会うにしても2、3カ月付き合いが続くと、だんだんと連絡がこなくなって男性がフェードアウトしていく。最近、自分の男を見る目のなさに落ち込みますよ」

これは由美子だけではなく、30代の婚活女性からよく聞く話だ。ネット社会になってから、男女の出会いは多様化していった。知人の紹介や繁華街での出会いに加えて、ネットを通じてより手軽に、より気軽に男女が出会えるようになった。しかし、出会いが簡単になれば、関係を築くことへの真剣さにも欠けていく。“ヤリモク”という言葉が生まれたように、ヤルことだけを目的に出会いを求めているやからも多い。

LINEのやり取りは頻繁なのに…

これ以上無駄な時間を過ごしたくない。結婚相談所での婚活を考えて、由美子は私を訪ねてきたようだった。

「実は今、アプリで出会った男性との関係も続いているんです。ただ最近彼の仕事がものすごく忙しいみたいで、2カ月会えていなくて。LINEのやり取りは頻繁にしているんですけど」

婚活にとってLINEのやり取りは、必須。業務連絡のような連絡ツールに使うのではなく、コミュニケーションツールに使うことを、私は会員に奨励している。頻繁にやり取りすることは大事なのだが、それはリアルに会うことを同時進行させてのことだ。LINEのやり取りは頻繁だが、もう2カ月まったく会えない男性との結婚は、今後考えにくい。

由美子もそれは頭ではわかっているのだか、LINEがくると気持ちが持っていかれる。それは、LINEにこんなことが書かれているからだ。

「仕事が一段落したら、真っ先に由美子に会いたいな」

「由美子と一緒にいると、本当に落ち着くよ」

「会えなくても、毎日由美子のことを考えているよ」

LINEならば調子のいいことはいくらでも言える。しかし、男性のことが好きだと、そうした言葉は無条件でうれしい。

さらに由美子は、こんなことも言った。

「結局どんな男性と付き合っても、あの26歳から30歳まで付き合っていた彼と比べてしまうんですよ。この年になって、夢見る夢子のようなことを言ってちゃいけないのはわかるけれど、やっぱり好きになった人と結婚したいんです。彼を越える人と結婚したいんです」

私は由美子に言った。

「今のままだと、手軽に会えた人たちに振り回されて、時間だけが過ぎていきますよ。年を重ねるほどに、結婚は難しくなっていく。なぜ自分が結婚をしたいのか、もう一度考え直してみましょう。“好きでもない人と、妥協してまで結婚はしたくない”と思うのなら、結婚に結び付かなくても好きになる相手と恋愛をしたほうがいい。

結婚して子どもを授かり、ファミリーを築くことを人生のプランとしているのなら、女性にはタイムリミットがある。女性を喜ばすことができなくても、甘い言葉はささやけなくても、実直でまじめな恋愛初心者の男性を選ぶという選択肢もありますよ」

ひと昔前の“結婚してこそ、人は一人前”という考えは、もはや古い。今や結婚をするもよし、しないもよし、それは個人が選ぶ時代になってきている。

由美子の婚活をこれからサポートすることになるが、どんな結婚をしたいのか。それを一緒にこれから考えていき、地に足のついた婚活がしていけるように、仲人としてサポートしていきたい。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラYouTubeも開設。

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