ユニクロも惚れた?Jクルーの実力とは 日本撤退後に大復活、今やセレブ愛用ブランドに

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ドレクスラー氏がJクルーに入ってすぐに目を付けたのが、当時35歳のジェナ・ライオンズ氏だ。同氏はニューヨークの一流ファッション学校を卒業後、Jクルーに入社。デザイナーとしてキャリアを積んでいた。ドレクスラー氏はその実力を見初めて、2003年には女性服デザインのバイスプレジデントだったライオンズ氏を、07年にデザイナーのトップであるクリエーティブ・ディレクターに抜擢した。

新たなカジュアル路線を打ち出す

Jクルーにおけるデザインの鉄則はただ一つ、「ライオンズ氏の好きなものを作ること」。万人に受けるコンサバルックではなく、ライオンズ氏の好みに合うデザインを追求させた。昨年1月に開かれたファッション業界のサミットで、ドレクスラー氏は「多くの人は創造力やデザイン力の重要性を過小評価している。創造力こそすべてのビジネスのドライバー」と語るほど、デザインにはこだわりがある。

そのドレクスラー氏のもと、ライオンズ氏も自由に発想を広げた。ファストファッション的なカジュアル服が人気を集めていた米国で、ライオンズ氏はたとえば、超細身のジーンズに先端のとがったヒール靴やデコラティブなアクセサリーを合わせるなど、ほどよいコンサバ感やシンプルさを併せ持った新たなカジュアル路線を打ち出したのである。

同時に価格戦略も見直し始めた。従来はファストファッションよりやや高いという、いかにも中途半端な価格だったが、デザインや品質を重視する戦略に転換したことで、より高額の商品を増やした。ZARAやフォーエバー21などファストファッションが席巻する中で、これは挑戦だったと言えるだろう。

この2つの戦略は大当たりする。まず価格面では、「百貨店で販売されている同程度のデザインと品質にもかかわらず、価格は百貨店の商品より安いことで、ファッションに敏感な百貨店客を引きつけた」(デービッドオーウィッツ氏)。

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