ウケ狙いの「ゆるい企業SNS」がオワコンな理由 「中の人同士」の馴れ合いにみんな飽きている

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一方で、こういった企業アカウントの動きは、急速に飽きられ始めている。とくに2019年に入ってから、その傾向が顕著に見えるようになってきた。

史上まれに見るロースコアゲームといわれた第53回スーパーボウル。この試合展開に嫌気が指したと思われる、とある企業アカウントが「I can’t do this anymore(もうやってらんねー)」とツイートしたのに対し、いつものようにさまざまな企業アカウントが、色々なネタによる絡みを見せたのだが、もはや、それはユーザーに対して「気持ち悪い」印象を強く与えることになってしまったのだ。

実際に繰り広げられたやり取りは、例えば「ハグしてあげようか?」といった企業アカウント同士の他愛のない会話から始まり、やがて「“もうやってらんねー”と思っていること」を、さまざまな企業アカウントが、さながら大喜利のように出し合うといった流れになっていた。日本の、いわゆる軟式アカウントでも、こういったやり取りは、少なからず行われている。

中の人同士の「内輪ネタ」はもう飽きた

ユーザーもだいぶ食傷気味になってきたらしい。この一連の流れ自体、もはや飽きられており、その反動か、現在は人間臭い振る舞いをする企業アカウント自体がオワコン扱いされ始めている。

日本の企業アカウントの動きを見ていても、例えば「中の人」たち同士が内輪ネタで盛り上がったり、場合によってはフォロワー数で半ばマウントを取るような行為が、徐々に反感を買い始めている中、アメリカのような形で、軟式アカウント自体がオワコン化に向かって進んでいく可能性も否定はできない。

とくに日本の場合、企業アカウントの運営にあたって、アメリカ以上に“人間味”を出すことをよしとしている考えが強く、それゆえに、きわめて属人的な運営が最善の方法として考えられてきたが、その方針を180度変える企業も少なからず出てくるのではないだろうか。

熊村 剛輔 セールスフォース・ジャパン DX ビジネスコンサルティング ディレクター

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くまむら ごうすけ / Gosuke Kumamura

1974年生まれ。プロミュージシャンからエンジニア、プロダクトマネージャー、オンライン媒体編集長などを経て、大手ソフトウエア企業のウェブサイト統括とソーシャルメディアマーケティング戦略をリード。その後広報代理店のリードデジタルストラテジストおよびアパレルブランドにおいて日本・韓国のデジタルマーケティングを統括後、クラウドサービスベンダーにてエバンジェリストとなり現在に至る。

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