パズドラ級のヒットは、どうすれば生まれるか

ゲーム産業の今後(その2)

 IT業界の国内外のキーパーソンが一同に会す、インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)。 IVSは経営者・経営幹部のみを対象にした招待制のカンファレンスとして、年2回開催されている。本連載では、2013年12月3日〜4日にかけて京都で開かれた「Infinity Ventures Summit 2013 Fall Kyoto」のイベントの一部を紹介。第3回目は、カプコン、グリー、サミーネットワークス、DeNAのキーパーソンによる「ゲーム産業の今後」のセッションをお届けする。 
<「ゲーム産業の今後」セッション登壇者(写真左から)>
(モデレーター)
・インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野裕史氏
(スピーカー)
・カプコン 社長COO 辻本春弘氏
・サミーネットワークス/セガネットワークス 社長CEO 里見治紀氏
・ディー・エヌ・エー取締役兼執行役員 Mobage 統合事業本部 マルチリージョンゲーム事業本部長 小林賢治氏
・グリー 取締役 執行役員常務 青柳直樹氏

 

その1:日本のゲームは世界で勝てるのか?

日本のビジネスはもうええちゃうんか?

青柳:海外展開に関連して、2つくらいお話ししたいことがあります。

1つ目は、この世界をいくつかのクラスターに分けて考えたほうがいいということです。特に運用でいうと、中・韓・タイは、アメリカ人でも日本人でもできないと思っています。現地のパブリッシャーなどのパートナーを見つけてやるほうが、基本的にはメイクセンスかなと思っています。

ゲームのランキングを見ながら、有料アプリの重なりみたいなものをマップ化してみましたが、欧米圏は重なりが多いですが、日本と中国は独自のマーケットであるなと。韓国は多少、規模の性質もあって、入り乱れているかなと思います。西洋と東洋の壁を越えて成功しているタイトルは少ない状況です。

2つ目に、地域別に運用を分けようとした場合、どのくらい日本向けだけにやるのか。日本を中心にしてアジアに出すのか、それとも全世界で売れると思って作るのか、という選択があります。

僕自身が、アメリカで経営をしていて感じるのは、全世界、ユニバーサルにウケるサービスを作れたら、これが一番興業的にもヒットするということです。過去に成功している事例が山ほどあるので、そこを掘りたいなと思っています。ハリウッド映画が好例ですが、ユニバーサルで流行るものを追い求めていくのがいいのかなと思っています。

最近、日本でネイティブゲームのスタジオを担当し始めましたが、これは構造的に厳しいビジネスです。あれだけのユーザー数を抱えるLINEがあって、そことぶつかることをやると、基本的に駆逐されます。もちろん、パズドラはありますが、一体他の会社がどれだけの金額を投じてどれだけの市場規模に対して投資しているのか。

その意味では、アメリカのほうが人件費は高いですし、開発コストはかかりますが、マーケット規模が3倍、4倍なんですよ。つまり、日本とアメリカに投資するのは、リターンはどっちが上がっていくか、ということです。日本人の僕がこう言うのはあれですが、残念ながら、英語圏の市場でやったほうが、ネイティブゲームについてはうまみがあります。

僕は今、日本向けゲームを作っていますが、海外向けを作ったほうが儲かるんじゃないかと。ウェブゲームのところではグリープラットフォームがあって、LINE、モバゲー、グリーがいいポジションにいるので、それは粛々とやり続けたほうがいいと思いますが、新しいビジネスについては、「日本はもうええんちゃうかな?」と考えているところもあります。

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