「有馬記念」アーモンドアイ1強に死角はあるか 国内最強牝馬が年末の祭典に出走決めた背景

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史上最強牝馬が次にどこに向かうのか。ジャパンCか香港Cか。陣営は連覇がかかるジャパンCではなく香港Cを選択した。日本調教馬で3カ国のGⅠを制したことはない。日本とドバイのGⅠを制したアーモンドアイは日本調教馬初の3カ国GⅠ制覇を同一年で達成する偉業への挑戦を選んだ。

しかし、11月30日の香港への出発当日に美浦トレーニングセンターで衝撃が走った。アーモンドアイが香港遠征を断念した。29日に熱発。平熱38度の馬が38.5度まで上がった。30日には38.2度に下がったが白血球の数値は高かった。陣営は無理せず遠征を断念した。それでも翌日から運動を再開。国枝調教師は有馬記念に目標を切り替えて参戦できるように細心の注意を払って調整した。

12月5日にはファン投票結果が発表され1位に選ばれた。国枝調教師は「今から香港へ行っても大丈夫」とジョークを飛ばしたほど順調だった。それでも8日に有馬記念に特別登録を済ませたときにも結論は保留。ようやく10日になって正式にゴーサインが出た。

国枝師「天皇賞よりも数段上だよ」

11日の1週前追いではルメール騎手が騎乗して美浦Wコースで併せたノチェブランカ(3勝クラス)に2馬身先着。5F(1000m)の65秒2の時計はこれまでの1週前追いとしては最速だった。ルメール騎手は「すごくいい手応えでした。残念ながら香港には行けなかったが大丈夫だと思う。アーモンドアイに乗るときはいつも自信があります」と胸を張った。

初めての中山の2500m芝に「ジャパンCの東京2400m芝も問題なかったしレコードで勝った。スタミナがなければあんな競馬はできない。京都の内回りでもいい脚を使ったし小回りも心配していない」ときっぱり。

「スローならスタンド前で前のポジションを取りにいける。外枠だったり流れが速ければ向正面で上がっていける。どんなレースでもできる」と全幅の信頼を寄せる。国枝調教師は「見てのとおりでまったく問題ない」と余裕の表情。「馬にとっては微熱でもう少しタイミングが早かったら香港にも行っていたと思う。12月8日が香港でなく日本の競馬なら使っていたかもしれない」と症状が軽微だったことを説明した。

迫力満点の動きで不安を一掃。有馬記念参戦は決して急転直下ではなく、状態を見極めたからこそだ。

「天皇賞より数段上だよ」

名伯楽が状態に自信を持っていなければ参戦させない。

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