梅宮辰夫が最後に残した「テレビ界に思うこと」 「キムタク救出伝説の真相」はこんな話だった

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いつからこんな調査を始めたか知らないけど、少なくとも昔の東映の役者なんて、みんな好感度は低かったと思うぜ。不良っぽくて、危ない感じがする役者ばかりだから(笑)。健さんだってヤクザ映画に出てる頃なら、それだけでいい印象を持たない、お堅い方もいたはずだよ。でも、健さんの映画は熱狂的に支持された。

梅宮さんは最後の著作で「もし、本当にあの世が存在し、そこに山城新伍や松方弘樹、高倉健さんや鶴田浩二さんがいるんだったら、茶飲み話でもしながらのんびり過ごしたい」という言葉を残していました(写真:©能美潤一郎・双葉社/『不良役者 梅宮辰夫が語る伝説の銀幕俳優破天荒譚』)

主演を張るような男優で危険な匂いがしないヤツなんて、なんの価値もないよ。人畜無害な印象しかない役者を前にして、ファンは心ときめくのかねぇ。

結局、今の役者が好感度を気にするのはCMの存在が大きいからだろう。映画やテレビドラマに出るより、CMに出たほうが金になるからね。そのCMに出続けるにはお茶の間の好感度が大事だし、スキャンダルは御法度ということになる。

俺は今だったら、役所広司という役者を高く評価する。演技もうまい。存在感もある。男の色気もある。2018年主演した東映の映画『孤狼の血』もよかった。

でも、あいつがテレビでラーメンや宝くじのCMに出て、おちゃらけてる姿を目にすると、日本の役者が置かれた現状を見るようで寂しくなってくるぜ。

「キムタク救出伝説」の真相

俺が渋谷で、チンピラに絡まれていた木村拓哉を助けたなんていう話も、まさに梅宮伝説として語られている。ホントはこんな話なんだ。

俺が女房と車でレストランに行く途中だった。ちょうど信号待ちをしていると、あるスポーツジムの前で小さな人だかりができて、なんとなく揉めている様子なんだよ。最初に気づいたのは助手席にいた女房だった。

「あれ、キムタクじゃないの? どうしたのかしら。パパ、助けてあげてよ」

もちろん、俺としてもそういう場に出くわした以上、放って置くわけにはいかないよな。すぐに車を降りて、彼のところに行ったわけさ。あいつとは、まんざら知らない間柄でもないからね。

かつて、アンナと2人で、SMAPのメンバー全員が出演していた番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)に出たこともあった。例の、連中が料理を作って食べさせてくれる「ビストロスマップ」ってコーナー。番組の中の看板企画だったんだってな。そんなことは、人に聞いて初めて知ったくらいさ。

俺たち親子が出たときは、北京ダックを使ったメニューを出してくれた。ここで俺はいつもの調子で、思ったこと、感じたことをズバズバ言っちゃったわけだよ。たとえば、キムタクが作った料理を食べる前に、余計なひと言。

「木村君は、この間、安い店で食ってたようだから心配だな」

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