相鉄・JR直通線、「遠い駅」のほうが安い運賃の謎

直接行けない隣駅、「特例」適用で170円

これはどういうことか。JR東日本に問い合わせると、鶴見から羽沢横浜国大へ行く場合、直通線の列車が鶴見に停まらず直接行くことができないため、特例によって最短の運賃経路である鶴見から羽沢横浜国大までの170円の乗車券で、本来は区間外である鶴見―横浜間、鶴見―武蔵小杉間に乗車することができるものとしている、ということだ。

鶴見から羽沢横浜国大までの乗車券(筆者撮影)

つまり、実際には鶴見→横浜→(鶴見通過)→武蔵小杉→(鶴見通過)→羽沢横浜国大というルートを通るものの、運賃は鶴見→羽沢横浜国大の最短経路分で計算するわけだ。

JR東日本によると、列車の運行形態上やむをえず重複して乗車することになる区間について、最短の運賃計算経路の乗車券で重複する分、すなわち区間外の乗車ができるように規定で定めているという。

特例の区間はほかにもある

ほかにもこの規定に当てはまるところはある。

例えば、日暮里から尾久へ行く場合だ。尾久は宇都宮線(東北本線)・高崎線の駅で、両線の列車は日暮里を通過するため、上野までいったん出る必要がある。だが、運賃計算上は尾久は日暮里の隣の駅だ。この際、日暮里―上野間は「区間外乗車」として運賃計算に含まない。

川崎・鶴見周辺はとくに多い。前述の3つのほか、鶴見線にもある。武蔵白石または浜川崎以遠(小田栄または昭和方面)の各駅と大川との間だ。武蔵白石や浜川崎などから大川に向かう場合、安善までいったん乗車して折り返しても、武蔵白石―安善間は運賃計算に含まない。

これは、鶴見線の運転系統に理由がある。大川支線は武蔵白石から分岐しており、かつては同駅で乗り換えができた。だが、1996年に車両を大型車両に置き換えたことで、急カーブの武蔵白石駅ホームが使用不可能になり、大川行きは同駅を通過することになった。このため、武蔵白石や浜川崎以遠から大川に行く場合は安善まで行って折り返すしかなくなったのだ。運賃計算上の分岐駅は武蔵白石のままであるため、特例が適用される。

このほか、「鶴見、新子安、東神奈川または川崎以遠(蒲田または尻手方面)、国道以遠(鶴見小野方面)もしくは大口以遠(菊名方面)の各駅と、新川崎、西大井または武蔵小杉以遠(武蔵中原または向河原方面)の各駅との相互間」の特例もある。

これは鶴見や新子安、東神奈川に横須賀線の駅がないことから、これらの駅から新川崎や西大井、武蔵小杉以遠に行く場合、いったん横浜まで出て横須賀線に乗り継いでも、最短距離で行く場合の運賃扱いにするというものだ。この場合、鶴見―横浜、新子安―横浜、東神奈川―横浜間は運賃計算に含めない。

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