相鉄・JR直通線、「遠い駅」のほうが安い運賃の謎 直接行けない隣駅、「特例」適用で170円
11月30日に開業した相鉄・JR直通線。新駅の羽沢横浜国大駅を訪れた多くの人が驚くのがJRの運賃表だろう。隣の駅である武蔵小杉までは310円なのに、乗り換えの必要な鶴見駅までは170円なのだ。
つまり、乗り換えが必要な駅のほうが、1駅だけで直接行ける武蔵小杉よりも運賃が安い、という不思議なことになっている。
これは、相鉄・JR直通線の列車が通る経路が関係している。運賃表の図とは異なり、実際には列車は鶴見を経由して武蔵小杉に向かう。JR東日本が今年2月26日に発表したプレスリリースによると、相鉄・JR直通線の運賃計算上の分岐駅は鶴見だ。つまり、運賃計算の上では武蔵小杉より鶴見のほうが近いので、その分運賃が安いということになる。
迂回しても170円で済む理由
だが、相鉄・JR直通線は鶴見に停まらない。それゆえ、鶴見から羽沢横浜国大へ向かうには大きく迂回しなくてはならない。いったん横浜へ出て横須賀線に乗り換え、武蔵小杉で相鉄直通列車に乗り換えるなどしなければたどり着けないのだ。
実際には相当遠回りする必要があるのに、なぜ170円で済むのか。
調べてみると、これは時刻表やJRの公式サイトにも載っている運賃計算の特例の1つ「特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例」に基づいている。相鉄・JR直通線に関連するのは次の3つで、それぞれの区間を利用する際に<>内のキロ数は含めないで運賃計算するというルールだ。
鶴見から羽沢横浜国大駅まで170円で行ける根拠は(3)ということになる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら