2020年は日経平均が大きく上昇すると読む理由

来年はアメリカ株より日本株のほうが魅力的

12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、予想通り政策金利を現状のまま1.5%から1.75%の範囲に据え置くことを、反対ゼロで決定した。さらに、FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)も、2020年は年間を通して金利据え置きを予想している。

また一部の意見では2021年になると年間で1~2回の「利上げ」が見込まれている。これは、3回の予防的利下げによって景気後退が食い止められ、その後1年に及ぶ緩やかな景気回復があり、2年目から金利上昇を伴う景気の比較的強い上昇過程に入るというFRBの勝利宣言だ。

しかし、アメリカの株式市場から見れば、利下げと流動性供給による現在の需給相場が、2020年1年かけてゆっくりと業績相場に移行し、2021年には明確な業績相場が出現することを意味する。
ただ、2020年は、アメリカにおいては大統領再選を控えるドナルド・トランプ氏にとって株価下落が許されないという事情もあるが、FOMCの金利予想からいうと「急騰もない」ともとれる。

安倍首相は2020年に株価上昇を目論んでいる

日本も国内事情はアメリカと同様だ。安倍政権第3期目のリミットである2021年9月末までに、アベノミクスの目に見える成果を出さなければならないという事情がある。経済と政治は切っても切れない関係にあるので「株価予測に政治を持ち出すのはタブーでない」と思い、率直に言おう。安倍晋三首相は臨時国会の閉幕を受けて9日に記者会見し、憲法改正について「必ずや、わたしの手で成し遂げていきたい」と強い決意を表明した。

安倍首相の最終目標は憲法改正であり、二階俊博幹事長は「2024年までの4期目もある」と言っているが、これは3期と限定されるとレイムダック状態になることを警戒したアドバルーンで、安倍首相は2020年ではなく、2021年に勝負をかけると筆者は思っている。

そのためには何が何でも2020年に景気を良くし、国民の支持率を上げなければならい。折しも先週末の日銀短観の大企業製造業景況判断指数はゼロ(先行きもゼロ)となり、アベノミクス1年目の2013年の状態に戻ってしまった。これでは目的を達成できない。

26兆円の経済対策はもちろん、赤字国債発行まで動員して何でもありの政策を打って来ると思われる。消費税増税実行で財務省の口をふさぎ「やりたい放題」の財政政策の準備は整った。今週は18-19日に日銀金融政策決定会合があるが、黒田東彦日銀総裁の会見が注目される。安倍首相と「一心同体」の黒田日銀総裁の会見が見ものだ。1年かけてゆっくり上昇すればよいアメリカと「何が何でもこの1年」という日本。これからの株価上昇率を比較すると、おのずと答えは後者となる。日経平均予想のPER(株価収益率)14倍、米S&P500の19倍の比較感も後押ししそうだ。

読者の方々にはいろいろな意見があると思う。だが、株式投資家としてはこの流れにファンダメンタルズ的手法で立ち向かってはならない。今は勢いに付く時だ。弱気型のETFである日経ダブルインバースの発行口数は最高水準を維持しており、多くの投資家はこの流れに逆らっている。皆が買いに動くまで、上昇相場は続くと見る。前回も書いたように、2万4000円はスタートラインだ。

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