高齢化率50%「横浜のニュータウン」に変化の波

大和ハウスが「再生」に乗り出す背景事情

施設は地域住民から募集されたボランティアにより運営され、ローソンの店長・従業員も地域の方々が雇用されている。ボランティアには80歳代の方もいるという。ここを拠点とした移動販売も行われている。

野七里テラスの外観。多くのご高齢の住民が利用していた(筆者撮影)

建物内外に40以上の席が設けられており、日中はご高齢の方々が主に集い、夕方からは小学生を含む若い住民の方の姿も見られ、その様子から野七里テラスが幅広い世代の集いの場になっていることがうかがい知れた。

そもそもの始まりは、大和ハウス工業が2014年から開始した住民との意見交換にある。以降、「まちづくり協定」の締結、大学(東京大学、明治大学)や高齢者住宅協会も加わった「まちづくり協議会」の発足などを通じて、施設の実現にこぎ着けたものだ。

2017年には全住民を対象とした「全戸住民意向調査」を実施。その中で「買い物・交通の不便」や「高齢者の見守りや支え合い」など、街のあり方の問題点や要望が浮き彫りになり、それが野七里テラスに反映されている。

さらに幅広い再生策を模索

「当初はお茶をするだけの簡単なものを考えていたが、予想以上に立派なものができた。そのおかげで、従来は閉じこもりがちだった人たちに動きが生まれた。街が変わった、盛り上げていこうという雰囲気になってきた」と、住民は話す。

ただ、再生の取り組みは始まったばかり。現地の再生に当初から関わる大和ハウス工業の瓜坂和昭氏(営業本部ヒューマン・ケア事業推進部部長)は、「もっと幅広い再生策が展開できるはずだ」と言う。

上郷ネオポリスはインフラ施設が充実したニュータウンだ。横浜市の埋蔵文化財センターなどとして活用されている旧小学校の建物は、耐震工事が実施済みである。老人福祉センター「翠風荘」「栄プール」(2020年3月末に廃止予定)などもある。

一方で、大和ハウス工業は新築・リフォームをはじめとした住宅事業だけでなく、医療・介護、フィットネス、商業店舗など幅広い事業領域を有する。そして、それぞれの事業に高度な専門知識や事業スキルを有する専門部隊も抱えている。

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