ナイトスクープに見る「ウケる地方番組」の本質

たかじんも予見していた「ローカル」の強み

ローカル番組は今や全国ネット番組の「2軍」ではない。ではローカル番組の強みとは? 写真は「探偵!ナイトスクープ」局長を降板する西田敏行さん(右)と握手する、後任の松本人志さん(写真:共同通信)

大阪・朝日放送の名物番組『探偵!ナイトスクープ』で、西田敏行に代わって新局長として松本人志が就任したというニュースは多くの人を驚かせた。

西田が降板して新たな局長が就任すると発表されたとき、それがいったい誰なのか、世間ではさまざまな予想が飛び交っていた。だが、松本の名を挙げる人はほとんどいなかったように思う。大阪のローカル番組で松本ほどの大物タレントが出ることになるとは誰も想像していなかった。松本は以前からこの番組の熱烈なファンだったため、オファーを引き受けることにしたという。

このキャスティングに関しては賛否両論の意見が出ている。否定派の人の多くは、昔からこの番組を追いかけているファンだ。彼らはこの番組に特別な思い入れを持っているため、松本のような全国区のスターが局長になることで、番組の独自性が失われ、東京のバラエティー番組のようなテイストになってしまうことを危惧しているのだろう。そのぐらい関西圏を中心に熱狂的に愛されてきた番組だということだ。

「ローカル番組」の強み

近年、『探偵!ナイトスクープ』に代表されるような地方局制作のローカル番組が盛り上がりを見せている。ネットニュースなどを通じて、ローカル番組が全国的に話題になる機会も以前より増えているように思われる。ローカル番組の強みとは何か。そこに将来性はあるのだろうか。

ローカル番組の強みの1つは、リラックスした穏やかな雰囲気だ。「ゆるさ」と言い換えてもいい。

そのゆるさは主に予算不足からきているものだ。大阪のテレビ局の番組制作費は、東京と比べると5分の1から10分の1ぐらいになることもあると聞いたことがある。大阪以外の地方局ではそれよりもさらに少ないと思われる。限られた予算では全国的に人気のタレントを起用できなかったり、企画にも制限が出てきたりする。

だが、それが逆に強みとして生かされる場合もある。典型的な例は北海道テレビの『水曜どうでしょう』だ。大泉洋と鈴井貴之が旅をするこの番組は、予算不足を逆手に取った脱力系のノリで人気を博した。これをきっかけに大泉は全国区のスターになった。

次ページ松本人志や岡村隆史があえて「ローカル番組」に出る理由
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • ブックス・レビュー
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 最新の週刊東洋経済
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
鉄鋼不況の常態化は必至<br>迫られる国内リストラ

日本製鉄をはじめ、JFE、神戸製鋼所の鉄鋼3社は、強烈な不況に苦しんでいます。主力の鉄鋼事業の利益が急減し、逆風は一時的とは思えません。買収を含めた海外での拡大、国内拠点のリストラなど、生き残り策の深層をリポートします。