2019年も物議醸した「ステマ」招く根本的な理由

ペニオク騒動から7年、モラルに頼るのは限界

ステマ騒動を理解するにはステマの定義から確認する必要がある。それが「関係性の明示」だ。

2012年、ステルスマーケティングは流行語大賞にノミネートされるまで注目された。そのきっかけとなったのがペニーオークション事件(ペニオク事件)だ。

この事件は複数のタレントがこんなに安く落札できた、とペニーオークションをブログで紹介したところから始まる。「これらのブログは、本当にそんな低価格で落札したのか?」「裏でこっそりお金を貰って宣伝しているのではないか?」と悪い意味で話題となった。

その後これらのタレントはペニーオークション側から報酬を受け取っていたことが判明する。さらにはペニーオークション自体が詐欺的な仕組みで運営されていたことから経営者が逮捕され、結果的にタレントが詐欺に加担していたと騒動は拡大した。

「消費者にわからない形で広告を行うことは問題である」

「報酬の有無は隠すべきではない」

この事件をきっかけにステマに関する問題はある程度周知されるようになったが、その一方でペニオク事件後は芸能人ブログにとどまらず、「記事のふりをした広告」がメディアに掲載されていることがたびたび発覚する。

「関係性の明示」を行うには?

現在、ステマは絶対に許されないというルールがまともなメディアでは定着している。そのベースとなっているのが各種メディアや広告代理店が参加する業界団体、WOMマーケティング協議会が作成したWOMJガイドラインだ。このガイドラインではSNSやウェブメディアなどで情報発信者が広告によって報酬を受け取る場合、マーケティングの主体(企業や自治体)と報酬を貰っていることを明らかにする必要があると定めている。これが「関係性の明示」で、ステマにならないための条件とされている。

今回の件で「関係性の明示」を行うには、ミキの2人は京都市から業務を依頼されて、報酬を貰っていることを明確にする必要があった。これは文章で説明するのではなく「AD」や「PR」といった短い表記で行われることが一般的だ。

なお、現時点でステマを直接規制する法律は日本にはないため、WOMJガイドラインや一般社団法人インターネット広告推進協議会(JIAA)のガイドラインが広告の掲載・作成で参考にされている。

京都新聞はミキのツイートは関係性の明示がなされていないと報じたが、京都市と吉本興業は、報酬を貰ってツイートをしたことは事実だがステマではない、と公式見解を出した。これが火に油を注ぐ形になってさらに批判が湧きあがったが、実際はどうか。

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