「ターミネーター最新作」が世界中でコケた理由 過去の名作に頼るハリウッドの悲喜こもごも

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そんな中、パラマウントは、長年、やる、やると言いつつ机の上で転がしてきた『ビバリーヒルズ・コップ4』を、ついにNetflixに任せる決断をした。

『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズは、1984年、1987年、1994年に公開。主演のエディ・マーフィやプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが、劇場公開されないことをどう感じているかはわからないが、やるという約束を破ることなく、自分たちがリスクを負わなくてよくしたのは、パラマウントにとって賢い選択かもしれない。

一方で、もう始動してしまい、自由に身動きが取れない作品もある。来年1月公開の『バッドボーイズ フォー・ライフ』や、2021年から2027年にかけて2年おきに公開される『アバター』の続編がそれだ。前者は、17年ぶりに作られるシリーズ3作目。後者は12年ぶりとなるが、2作目から5作目までの4本をいっぺんに撮影するという、大胆なことをしている。来年はまた、34年ぶりに『トップガン』続編の公開も控える。

「コケる」「コケない」は神のみぞ知る

とはいっても、これらがコケると決まったわけではない。実際、間が大きくあいても大ヒットした例はある。その代表は、『スター・ウォーズ』だ。20億ドルという驚異的な世界興収を達成したエピソード7『フォースの覚醒』は、そのひとつ前のエピソード3の10年後に公開されている。

また、昨年は、『Mr. インクレディブル』の14年後に作られた『インクレディブル・ファミリー』が、前作の倍の世界興収を上げた。その前の年には、やはりピクサーの『ファインディング・ドリー』が、15年前の前作『ファインディング・ニモ』を上回る成績を打ち立てている。

つまり、絶対的ルールはないということ。この後、久々の続編が立て続けに当たるようなことだって、十分に起こりえるだろう。

だが、たとえそうなったとしても、慌てて古いタイトルを引っ張りだそうとはしないほうがいい。せっかく長年愛されてきた映画は、よほどちゃんとした理由がないかぎり、そのままにしておいたほうがいいのではないか。少なくとも、ファンはそう望んでいる。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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