ポイントを還元してもらうのにわざわざそこまでしなければならないのか、と面倒に思う人も多いだろう。「マイキーID」や「マイナポイント」といった初めて聞く言葉が飛び出し、仕組みはややこしく聞こえる。
ただ、まだマイナンバーカードを持っていない人は、住んでいる自治体で発行手続きをすれば、マイナンバーカードを受け取る窓口でマイキーIDを作成できる体制が今後整えられることになっている。子どものマイキーIDは親が代理で作成できるようにするという。
そして、スマホなどで自分のキャッシュレス決済口座にマイキーIDをひもづける操作をすれば、マイナンバーカードを常時携帯する必要はない。
マイナンバー普及で広がる政策余地
とはいえ、東京オリンピック後の景気対策として、キャッシュレス決済へのポイント還元をするぐらいなら、所得税を減税したほうがよほど簡単だと思う人もいるだろう。マイナンバーカードが普及していない現状からすればそうかもしれないが、所得税の減税で恩恵を受けるのは所得税を払っている人である。所得税を課税されないほどに低所得の人は、所得税減税の恩恵は受けられない。
他方、低所得者向けに限定して給付金を出す政策も、給付する窓口を市町村に担ってもらわなければならず、事務コストも馬鹿にならない。
そう考えると、マイナンバーカードとマイナポイントがもっと普及すれば、政策も工夫の余地が広がっていくと考えられる。今や、所得税を源泉徴収される場合などでは、所得を受け取る人が支払う側にマイナンバーを提供しなければならず、誰がいくら所得を稼いでいるかについて、以前よりも正確に把握できるようになっている。マイナンバーを使うとプライバシーが守れなくなると言おうにも、所得税関係ではすでにマイナンバーがかなり網羅的に付されている。
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