京都の「民泊トラブル激増」に苦しむ市民の怒り

マンション共有部分にゴミが散乱することも

さて、車を預けてしまった以上、自宅までのんびり歩いて帰らなくてはいけない。観光客に人気のジャパネスクな京町家……とはいかない、くたびれた長屋がたくさん残る飾らない京都の下町をぶらぶら歩く。

「民泊反対」一時期の京都ではしばしば見かけた光景(写真:パンクする京都(星海社)より)

いつもなら車か自転車であっという間に通り過ぎてしまうところなのだが、めずらしく歩いていたおかげで普段なら見過ごしてしまうようなものが目に留まった。一軒の民家のガラス戸に貼ってある赤字の鮮やかな貼り紙である。力強い筆字で「民泊反対」と大書きされ、そして、さらに「町内中猛反対」という添え書きが強烈な印象を与える渾身の抗議声明であった(※写真参照)。

「おお、また迷惑民泊か」

たまには近所を歩いてみるものだなと思わずしばらく見入ってしまった。確かに、その隣は目下工事中の模様。現場に掲示された建設計画の概要を見ると、最近とくに京都でも増えているという中国・上海の事業者名。しかし「営業の種別」の欄には「簡易宿所」にチェックが入っている。

「民泊トラブル」に悩む京都市民

なんだ、民泊じゃないんだ。ただの勘違いか……。いやいや、単なる勘違いと片付けられる話でもないかもしれない。これは、それほど京都の住民の中で「宿に迷惑をかけられる」というおそれと「民泊」が強く結び付いているということなのかもしれない。確かに民泊と地域住民のトラブルは全国で発生していたが、その中でもとくに京都の人々は民泊にひどく悩まされてきたといえるのだ。

民泊とは、仲介サイト「Airbnb」などの登場によってここ数年で急速に広まった宿泊業のスタイルである。本来は宿泊施設ではない一般の住宅の一部またはマンションの一室などに旅行者を泊めるものである。大きな資金を準備しなくても手軽に始められるため、学生の小遣い稼ぎから多くの部屋を回しながら大きな利益を上げる民泊専門業者まで、さまざまな人々がこの民泊ビジネスに乗り出した。

2015年には全国の民泊市場は200億円程度だったが、それまで実質的には野放し同然であった民泊営業を規制する民泊新法の施行を翌年に控えた2017年度には1251億円にまで膨れ上がっていた。さらに民泊市場はいわゆる「西高東低」であり、エリア別では関西(447億円)が関東(434億円)を上回っていた。

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