新卒は高学歴ほどベンチャーへ行け 京大、早慶出身の学生らが続々

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いま、高学歴でも大手を選ばず、あえてベンチャー企業に就職する若者が増えている。新卒人材をベンチャーに紹介するスローガン(東京都港区)の伊藤豊社長は言う。

「夢を語るベンチャー経営者、1年目や2年目でも責任ある仕事をこなす社員を見て、自分も成長できると思うんでしょうね。昔は、テレビCMでブランドを認知してもらうことが消費につながりましたが、今はネットで少し調べると口コミが出てくる。無名でも品質がよければ構わない。情報量が増えると、ブランド消費は少なくなる。それは就職も一緒なんです」

まずはインターンを

しかし、大手企業は社内制度が整い、大きな事業ができる環境も整っている。これに学生も魅力を感じないわけではない。

インターネット環境があれば、仕事の発注・受注がどこでもできるサービスを手掛けるクラウドワークスに勤める成田修造さん(24)も、大手に就職するかどうか悩んだ一人だ。

クラウドワークス 原 由子さん(24)、成田修造さん(24)
原さんはインターン中で4月から入社予定。早稲田大学の5年生だ。20歳前後にカフェの立ち上げ・運営に携わったのだが、その仕事に一生懸命になりすぎ、留年してしまった。「そんなに一つのことに熱心になれるなんてすごい。プラスに評価しています」(採用担当者)

慶応大学を卒業し、現在の会社に入ると1年目で執行役員に。営業業務の責任を一手に任されているが、そこまでは平坦な道のりではなかった。

「実は学生時代に起業して失敗しているんです。大手で修業したほうがいいのか迷いました」

大学在学中に起業した会社はうまく軌道にのらなかった。そこで、勉強のためにとクラウドワークスでインターンを開始。就活では大手コンサル会社などから内定をもらったものの、「一緒に働こう」とクラウドワークスの吉田浩一郎社長に強く請われ、入社を決意した。

「M&Aやトレーディング業務に携わりたいなら大手に行ったかもしれません。けれど、事業の立ち上げや事業拡大の手腕を磨きたいのであれば、大手である意味はないなと思ったんです」

ただ、魅力あるベンチャー企業がある一方で、経営状態や労働環境のよくない「ブラック・ベンチャー」があるのも否めない。それを見極めるためには、どうしたらいいのだろうか。

まずは、インターンをして、どんな会社かを知ることが大事だが、さらに踏み込んだチェックを勧めるのは、経営コンサルタントの瀧本哲史さんだ。

「ブラック・ベンチャーは自身の会社をよく見せるのがうまい。そんなベンチャーをインターンで見抜くのは至難の業です。雰囲気や業績、株価が良くても、実際に入ってみないと分からないことは多い。それを見破るには、そのベンチャーのお客さんに聞いてみることです」

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