アメリカで急拡大するペット市場が有望なワケ ITも駆使した新領域の拡大も進んでいる

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APPAのペット産業調査で最もウェイトの高いペットフード。この分野には食品企業が続々と参入し激戦区となってきている。

まずM&Mやスニッカーズなどのチョコレート菓子で知られるマーズだ。

同社は2002年にフランスのペットフード企業を買収しペットフード事業に参入すると、M&Aにより事業を拡大し、2014年にはP&Gの3つのブランドを買収し、現在では世界シェアトップの地位を確立した。

「シーザー」「ぺディグリー」など日本でもおなじみのブランドを保有している。またM&Aを駆使して、動物病院事業や高品質の獣医ケアなど幅広くペット事業を展開している。ただ、同社も非公開企業だ。

家庭用コーヒー、ジャムやピーナッツバターなどを製造する食品加工メーカーのJMスマッカー(SJM)は、2015年にペットフードやペットスナックなどを手がけるビッグ・ハート・ペットを買収しペットフード事業を3本目の柱に据えると、2018年4月にはプレミアムペットフード「Nutrish」ブランドを持つエインズワースを買収、売上高ベースでは最大の事業セグメントに拡大している。

続いて日本ではあまりなじみがないかもしれないが、ブルーバッファローにも注目だ。ペットは大切な家族の一員、当然素材にこだわった自然食志向のペットフードへのニーズは高まっている。そんな自然食品のペットフードに特化し成長してきた。

ブルーバッファローの自然食ペットフード(写真:BLUE Buffalo(General Mills))

同社の公表資料を見ると、売上高は2016年が11.9%増、2017年が10.8%増、純利益は45.7%増、48.5%増とその急成長ぶりがうかがえる。

このブルーバッファローを2018年に買収したのがシリアル食品やスナック菓子、ハーゲンダッツアイスクリームなどを製造する食品大手のゼネラル・ミルズ(GIS)だ。同社はこの買収により、新たにペットフード事業に参戦した。

また、自然食ペットフードの専門メーカーであるフレッシュペット(FRPT)も、売り上げ規模はそれほど大きくないが着実に拡大を続けている。

アニマルヘルス分野も好調続く

ペットの健康問題は飼い主にとって最優先事項。その証拠に、ペット関連市場のなかでも医薬品や健康関連製品などアニマルヘルスはとくに伸びが大きな分野となっている。この分野の世界トップ企業がゾエティス(ZTS)だ。同社はファイザーから2013年に分離・独立した企業で、家畜向けとペット向けの医薬品やワクチン、寄生虫駆除剤などの製造・販売を行っている。

直近2019年1~9月期は、家畜向けは減少したもののペット向けが大幅に増加し全体の収益を牽引した格好だ。2018年は獣医向け診断機器のアバキス、直近も馬用栄養食品のプラチナム・パフォーマンスを相次いで買収するなど、M&Aによる業容の拡大を進めている。

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