「できる人が辞めていく会社」のダメすぎる実態 やる気を持続できる企業はココでわかる!

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田中さんは退職を決意しました。

どちらかというと、田中さんは自らアピールをすることもなく、黙々と仕事をこなすタイプの社員でした。今回の努力や行動もとくに上司に報告したりアピールすることもなく、ただただ求められた役割で支店に貢献しようと頑張っていたのです。しかし、支店長は田中さんの仕事ぶりに気づくことなく、結果もきちんと把握しないまま適当に部下を評価していたのです。

田中さんは、こうした会社に自分の夢や目標は託せないし、社員をきちんと評価できない会社そのものにも将来はないだろうと、会社を見限ったのです。

次は評価の仕組みが整っている会社がいい

これを機に田中さんは、次の会社はきちんと評価の仕組みが整っているところに転職しようと就職活動を行い、「あなたのキャリアアップを支援する評価制度があります」と募集広告を打ち出した会社に入社が決まりました。

社員50名程の小さな会社でしたが、その会社では入社した日に経営計画と経営理念や会社の方針や考え方、行動理念を明記したクレドカードを渡されました。そして、担当役員が丸1日、会社の沿革や歴史などに加えて、理念を定めた背景や意義、地域や社会とどう関わってきたかということを細かく教えてくれました。

2日目は、人事評価制度に関する説明です。どういう昇格体系があって、どんなキャリアプランが可能か、マネジャーや幹部社員になるにはどういうステップで昇進していく道があるのかがわかる仕組みになっています。これにそって最短で昇進してくパターンやこれまでの社員の標準のパターンなどのシミュレーション表も渡されました。

そして、それに連動した給与や昇給額、賞与の仕組みがあり、自分の成長に応じて年収もどうなっていくかが明確です。

また、会社が求める業務スキルや専門知識・技術などを学べるテキストやマニュアル、研修体制も整っていて、自ら積極的に学べば学ぶほど会社が求める人材へ成長することができることがわかります。

さらに、自分自身に求められる具体的な仕事内容とレベルが明確に記された評価基準を渡され、昇進するためにはどのようなレベルが求められるか、どういったスキルをどのようなステップで身に付けていけばよいのかもわかるようになっています。

研修を終えて田中さんは「この会社だったら、やればやっただけ評価され、実力も描いたとおりに高めることができそうだ」と自分自身の将来を託してみることにしました。

次ページ1年が過ぎ、評価時期を迎え…
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