桜を見る会中止、安倍首相「逃げ恥作戦」の成否 一強政権に追い打ち、浮上する年明け解散説

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ただ、「各界の功績・功労があった人」を招待するのが原則なのに、政府・自民党の幹部は多数の支援者を招待客に紛れ込ませていたとされる。二階俊博自民党幹事長は12日、「支援者に配慮するのは自民党として当たり前」「(党への招待者割り当ては)あったって別にいいんじゃないですか、何か問題になることがありますか?」といつもの二階節で開き直ったことが、政権批判を加速させた。

この二階発言はすぐさまインターネットで大炎上し、「火に油を注いだ」「二階からガソリンをかけた」などの書き込みが相次いだ。

首相の言い訳は今回は通用しない

「私の判断で中止した」と13日に首相官邸で語った安倍首相は、その一言だけでそそくさと立ち去ったが、表情にはいら立ちを隠せなかった。安倍首相には、2017年2月に森友学園問題が浮上した際、衆院予算委の答弁で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言し、「それが財務省の森友問題関連の公文書改ざんにつながった」(立憲民主幹部)とされる過去がある。

しかし、今回は事務所の関与が明らかで、桜を見る会の前夜祭として都心の高級ホテルで開催された会合に首相夫妻も出席、あいさつしていたことなどが、新聞各紙の首相動静欄にも記録されている。

さらに、2014年の桜を見る会の際などには、昭恵夫人が「桜を見る会にご出席の皆様と。地元でずっと応援してくださっている後援者の皆さんのお陰で主人の今があります」などと自らのフェイスブックに書き込んでいる。このため、自民党内でも「私は関与していないという首相の言い訳も、今回ばかりは通用しない」(自民長老)との見方が支配的だ。

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