過熱する太陽光住宅商戦 “実質無料”販売まで出現!《特集・不動産/建設》
積水化学は先述のキャンペーン中の1キロワット当たり7万円の割引を好評につき9月末まで1カ月延長した。積水ハウスも5月末から同13万円の割引に踏み切った。
大和ハウスは7月に2・5キロワット以上一律66万円引きを宣言。同水準の値引きはその前から実施済みだったが、対外的に明示したほうが有利と判断した。同社の新築住宅受注でのPV比率は08年度の12%から今年に入って2割強に上昇中。「10年度の30%目標も上方修正となる可能性がある」と、金田健也・住宅事業推進部次長は言う。
エス・バイ・エルは半額近い値引きを期間限定で導入。ミサワホームも9月末まで1カ月延長し、3キロワット以上なら一律3分の1の70万円にする値引きを実施した。同社では10月以降も3キロワット未満にまで対象を広げる方向での値引き実施を検討中。「住宅の小型化が進んでいる」ことに対応し、PV拡販の実をさらに上げようという狙いからだ。
水面下で値引きを展開するメーカーもある。パナホームは地区などで値引き額が異なるが、値引きは最大2割程度に達するもよう。太陽光では後発組の旭化成ホームズは、PVと家庭用燃料電池の両方を新築時契約した場合、「地区によっては顧客が(両方を)実質負担110万円で購入できる」独自のキャンペーンを実施した。住友林業も「各支店で異なるが他社と遜色ないレベル」で値引きをしていると内幕を明かす。
極め付きは8月限定で「PV実質無料キャンペーン」を実施した三洋ホームズ。あるPV供給メーカーは「困ったものだ」と“価格破壊”の動きに困惑ぎみ。PV供給元の親会社の三洋電機から「あまりゼロを強調するな」という声がかかったもようだ。
ただ、期間中32件を受注、成約に向け交渉中も41件あり、PV住宅の比率も80%に急上昇した。「成果はあった」と同社では見ている。
気になるのは採算だ。