米国がデジタルヘルスブームでも直面する課題 市場は急拡大だが既存医療とのせめぎあいも

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デジタルヘルスの発展において、最も肝心なのはプラットフォームの構築である。「デバイスに強い」会社は「デバイス×ヘルスケア」を研究開発し、ドラッグストアは顔認証機能搭載の薬保管容器を開発し、薬宅配サービスと提携する。どれも魅力的だが、それぞれのビジネスがほとんどバラバラに展開されており、しかも類似ビジネスも多い。

その結果、最終消費者(患者)から見ると乱立しているように見えるし、いちいち個人情報を登録しないといけない。デバイスを身に着け、個別に管理・モニターしなければならない。さらに継続的に利用するには面倒なことが多く、使わなくなることも多い。

この問題に対し、さまざまな企業が積極的にチャレンジしている。例えば、b.well Connected Healthは患者が安全、確実に診療記録や、家族の健康履歴を保管、管理、共有できる統合的プラットフォーム・アプリを提供している。連携する病院内には限られるが、患者の病気の治療にいちばん適した医師を推薦し、治療の概算費用を提示する。病院は今まで「無縁」であった患者に、適した医師がいることを知らせることができる。

また、ウェアラブル・デバイス等で、睡眠、健康データを収集し、それに基づき、健康アドバイスも受けることができる。

個人情報の漏洩不安

デジタルヘルスが普及しないもう1つの理由は、データ取得が難しいことだ。デジタルヘルスだけでなく、これからのAIやテクノロジーに関わる企業・国家間の戦いにおいて、データを握るほうが勝つのは言うまでもない。日本やヨーロッパが個人情報の扱いに非常に敏感なように、アメリカも同様だ。

近年、とくにITをめぐるデータ取り扱いについて、アメリカもヨーロッパのように厳しい制限をかけようという動きが見受けられる。技術進歩や時代の要請に応え、医療や金融などセクター毎に個人情報保護法を立法化してきている。アメリカは連邦制なので、中央政府と各州それぞれの個人情報保護規制がある。

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