「レクサスRX」は大胆な改良で何が変わったのか 大幅マイナーチェンジしたRXに試乗してみた

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これらにより得られたものは小さくない。入力の受け止め方が新旧で全然違って、上質な乗り心地を実現していたほか、ハンドリングの応答遅れも払拭され、スッキリと回頭するので、大柄なクルマながら動きとしてはよい意味で小さく感じるようになっていた。ドライバビリティーの向上は明らかだ。

試乗した3列シート6人乗りの「バージョンL」(筆者撮影)

試乗した3列シートの「バージョンL」ですらそうだったのだから、もう1台試乗した、走りの本命である2列シートの「Fスポーツ」は、より一体感のあるリニアな走りを実現していた。

こちらは減衰力調整を30段から600段に実質無段階を実現した新制御の「AVS(アダプティブ バリアブル サスペンションシステム)」、車体制振ダンパーであるヤマハ製の「パフォーマンスダンパー」を採用したほか、電動アクティブスタビライザーによりロールを抑制するなどの専用のチューニングが施されている。さすがは開発関係者が「自信作!」と胸を張るだけのことはあった。

外観はやや控えめな雰囲気に

もともとRXでは好評だったデザインについても、今回やや手が加えられ、レクサスを象徴するスピンドルグリルやヘッドライトが少しだけ小さくされるなどし、やや控えめな雰囲気になった。これは北米では高齢のユーザーも多く乗ることを考えると刺激的すぎたことを受けてのこと。ただし、全体としては派手なフェイスが好まれる傾向のご時世なので、抑えすぎてもよろしくないため、ちょうどよい落としどころを探ったという。

インテリアでは、マルチメディアシステムにタッチディスプレーを採用するとともにスマートフォン連携機能を追加したほか、スマートフォンホルダーの新設、USB端子の増設、内装色の新色設定など時代のニーズを受けての変更があった。

先進安全支援装備についても機能が強化され最新世代に進化したが、もう1つ注目すべきが、ブレードスキャンAHS(アダプティブ ハイビーム システム)だ。これは残像効果を応用し、LEDからの光を高速で回転するブレードミラーに照射し、反射した光がレンズを介して高速移動しながら前方を照らす新機構のAHSだ。2006年から構想があり、2015年に実用化のメドがたち、ようやく新型レクサスに初めて市販車に搭載された。これのデモを見学できたのだが、照射範囲が広く、配光と遮光の制御が非常に緻密で動きが自然であることが印象的だった。

これまでデザインの力だけでも高い人気を集めることができていたRXに走りのよさと最新の装備を得たのだから、鬼に金棒というとちょっと大げさか。売れているからヨシとするのではなく、しっかり中身も磨いてきたところから、今のレクサス開発陣の本気でクルマをよくしたいという思いがヒシヒシと伝わってきた。

岡本 幸一郎 モータージャーナリスト

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おかもと こういちろう / Koichiro Okamoto

1968年、富山県生まれ。大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の編集記者を経て、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。軽自動車から高級輸入車まで、国内外のカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでも25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに有益な情報を発信することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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