漫画祭が「反日の場」になってしまう不幸 韓国が進める慰安婦被害者事業にどう対処すべきか

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そんなチョ氏の下で慰安被害者事業予算は、2013年度の19億6700万ウォンから2014年度は45億8700万ウォンまで2倍以上も増額された。

差別主義者のレッテル

自民党クールジャパン戦略推進特命委員会幹事長を務める片山さつき参院議員は、対抗策の必要性を訴える。「ヨーロッパ人が敏感に反応するホロコーストに慰安婦問題を重ね合わせている。それに異議を唱える日本人に差別主義者のレッテルを貼ろうとする狡猾なやり方だ」。

片山議員は旧大蔵官僚時代、フランスに留学した経験もあり、韓国の戦略の巧妙さに危機感を持つ。片山議員が懸念するのは、この動きが世界に広がること。上表のように、世界には多くの漫画展がある。「日本から正しい歴史を発信する必要がある。高い芸術性で人の心を打つ作品を作ることが大事だ」。

2014年度の国際広報予算は、内閣官房が15億円、外務省が国際拠出金を含めて約200億円。が、日本の広報は後手に回ることが多く、効果は薄い。片山議員は「中身を精査すべき。緊急の場合には補正で積み増せばいい」と主張する。

漫画祭が政治色に染まるのは不幸だが、日本も冷静な対抗措置を取らなければ、世界にバイアスの掛かった日本人観が広がってしまう可能性がある。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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