脱北者が証言する、北朝鮮の携帯ウラ事情 盗聴されて当然、それでもビジネスに必要
「購入者の8割がビジネス目的」「端末を買うときは性能重視」「盗聴をされるのは当たり前」--。そんな北朝鮮の携帯電話の実態が明らかになった。
韓国の『月刊朝鮮』2014年2月号が掲載した北朝鮮の携帯電話事情。ここには、「韓国内の某通信会社が北朝鮮改革研究院という団体に調査を依頼したものをまとめた調査報告書」の一部として同誌が報道した。1995年の携帯電話事業の開始から、現在に至るまで、韓国内の脱北者(北朝鮮を出国し、韓国に亡命してきた人)からの聞き取り調査が元になっている。
故・金正日総書記が事業継続にゴーサイン
北朝鮮は現在、携帯電話の普及台数が220万台を突破。首都・平壌市はもとより地方の主要都市でも携帯電話を手にする人々の姿は日常茶飯事になっている。調査を受けた脱北者も脱北前には携帯電話を使っていた人たちが中心だ。
興味深い内容も多い。携帯端末の仕様はGSM方式で始まったものの、途中、韓国でCDMA方式が普及すると北朝鮮がこの方式に関心を持ち、韓国側もサムスン電子やLG、KT(韓国通信)などの通信事業者や端末・設備メーカーがコンソーシアムを組んで北朝鮮と交渉したものの、CDMA関連特許問題を解決できず導入に挫折した経緯が紹介されている。
また、携帯事業の運営初期には、スパイや反体制派を摘発する治安機関である国家安全保衛部が最高指導者の身辺安全と情報流出を心配し「携帯電話の使用を中断してほしい」と故・金正日総書記に要請したが金正日ははね付けたとの、同部出身の脱北者の証言もある。
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