「日本の鉄道の姿を変える」三セク社長の抱く夢

「今、ローカル線には追い風が吹いている」

雪景色の中を走るリゾート列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(写真:えちごトキめき鉄道)
新潟県を走る第三セクター鉄道、えちごトキめき鉄道の社長に就任した鳥塚亮氏。11月8日公開の記事「地方鉄道の『カリスマ社長』が新任地で挑む課題」に続き、これからのえちごトキめき鉄道、そしてローカル鉄道のあり方について、鳥塚氏に聞いた。

まず1歩を踏み出すこと

――日本のローカル鉄道を取り巻く環境は厳しく、行き止まりの路地に迷い込んでしまった感があります。立ち直らせる方策を考えても、結局は何もできなかったというケースも多いのではないかと感じます。

まずは最初の1歩を踏み出すことが大切なのだと思います。階段を1段上れば、そこからは今までと違った風景が見えてくる。今はそう考えています。

――何年もかけての仕事になりそうですね。

「鉄道っていいよね。駅に人がいるっていいよね」と、まず利用者の皆さんにそう思っていただけるようになること。それが私の仕事だと、これはいすみ鉄道の時代からずっとそう考えています。

えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長(写真:えちごトキめき鉄道)

経営改革って何ですか? もし、赤字を出したくないのなら、列車を1本も動かさなければいい。でもそれでは元も子もない。利用者の方にとっては、不便になるだけである。「儲からないからやめる」というお金の話が先にあって、でも、そういうやり方で、利用者が増えた鉄道がありますか?

たとえ組織のスタイルが株式会社であったとしても、地域に公的なサービスを提供する会社というのは、費用的便益性だけではなく、社会的便益性も備わっているはずです。なぜ今の日本はこの部分を認めようとしないのか?

ただ単に赤字だ、黒字だという論議しかできないのであれば、あらゆる交通機関、公共的な事業は不要ということになります。自治体にしてもそうでしょう。100円を稼ぐのにいくらかかるかを算出する数字が「営業係数」であるということはみなさんご存じでしょうが、それでは全国の自治体の営業係数はどうなっているのか。これは算出が可能です。

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