ドアが自動開閉、モーターショーの隠れた目玉 住宅とカギ共通化、スマホ1つで施解錠可能に

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ユーシンの展示のもう1つの目玉は、電気式シフターのデモ機だ。ギアがどのポジションに入っているかを振動で感覚的に伝え、運転中に前方から目を離す回数を減らして安全性を高める。

振動を生み出す部品はミネベアミツミが、シフターはユーシンが開発した。ミネベアミツミ、ユーシン双方が持つ技術をうまく補完しあった好例だ。

ユーシン買収で付加価値向上のメリットは?

ユーシンは部品を自動車メーカーに直接納める、いわゆる「ティア1」(1次下請けメーカー)だ。ミネベアミツミにとってみれば、ユーシン買収によって、従来からミネベアミツミが得意とするベアリングやモーターなどの部品とユーシンの部品・製品を組み合わせ、付加価値を高めたうえで自動車メーカーに売り込めるメリットもある。

【2019年11月4日8時54分追記】一部表記を削除いたします。

ユーシンも、モーターなどの部品をミネベアミツミから仕入れればコストを下げられ、既存製品のカスタマイズも円滑に進められ、顧客からのニーズに対応しやすくなる。

ミネベアミツミは2029年3月期までに売上高2.5兆円(2020年3月期予想売上高の約2.5倍)、営業利益2500億円(同予想営業利益の約3.2倍)に増やし、そのうちの車載部品向けの売上高は早期に5000億円(同売上計画の約1.9倍)を掲げている。

これらの長期目標を実現させるには、まずは2023年以降に発売される新車への提案の採否がカギを握る。

田中 理瑛 東洋経済 記者

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たなか りえ / Rie Tanaka

北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。報道部、『会社四季報』編集部を経て、現在は会社四季報オンライン編集部。食品業界を担当。以前の担当は工作機械・産業用ロボット、ドローン、医療機器など。趣味は東洋武術。

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