法務相も辞任、止まらぬ安倍政権「辞任ドミノ」

閣僚連続辞任で政局の節目変わるきっかけに

10月31日に辞任した河井克行法相。写真は9月11日の初閣議後の会見時(写真:時事通信)

10月31日の朝、河井克行法相(56)=衆院広島3区=が首相官邸で安倍晋三首相に辞表を提出、受理された。

9月11日の第4次安倍再改造内閣の発足からわずか1カ月半で、経済産業相に引き続いて主要閣僚が辞任した。経済産業相と法務相の辞任は、危機管理を優先した安倍首相による閣僚更迭というのが実態だ。複数の辞任予備軍と目される閣僚も存在しており、「辞任ドミノ」の様相が強まることで、安倍首相の今後の政権運営への不安も広がり始めている。

第2次安倍政権での閣僚辞任は10人に

河井氏の辞任は、7月の参院選で、妻の案里氏(46)=参院広島選挙区=が運動員に法定額を上回る日当を支払ったという公選法違反疑惑などを週刊文春が報じたことを受けたものだ。報道と同時のスピード辞任について河井氏は、自身や妻の関与は否定したうえで「疑義が生じたこと自体、法の番人として国民の信頼に耐えうるものではない」と、法相という立場からの辞任であることを強調した。

現内閣では、菅原一秀経産相(当時)の公設秘書が選挙区の支援者の葬儀で、菅原氏の代理として香典を手渡した場面が写真付きで報じられ、25日に辞任に追い込まれたばかり。安倍首相は「閣僚に任命したのは私で、責任を痛感している」として国民に陳謝したが、与党内では「(辞任した2人は)どちらも前からさまざまな疑惑が噂された人物で、事前の身体検査が甘かった証拠だ」(閣僚経験者)との批判や不満が広がっている。

2012年末の第2次安倍政権発足以降、辞任した閣僚は河井氏で10人目。発足から2年弱は閣僚が固定していたこともあって辞任した閣僚はいなかったが、内閣改造で顔触れを一新した2014年10月に、小渕優子経産相と松島みどり法相の2人の女性閣僚が辞任した。その後も西川公也農水相(2015年2月)、甘利明経産相(2016年1月)、今村雅弘復興担当相(2017年4月)、稲田朋美防衛相(2017年7月)、江崎鉄磨沖縄・北方担当相(2018年2月)、桜田義孝五輪担当相(2019年4月)が辞任した。

辞任の理由は、今回のような「政治とカネ」絡みから、失言、暴言までさまざまだが、辞任した閣僚の多くは起用前の段階で党内などから「閣僚にして大丈夫なのか」と不安視されていた人物だった。もちろん、歴代政権でも閣僚辞任は少なくなかったが、11月20日で史上最長政権となる安倍政権での頻繁な辞任騒ぎは「すでに季節の風物詩化している」(自民長老)と揶揄される始末だ。

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