浸水リスクが高い「鉄道車両基地」は多数ある

より綿密な減災計画の策定が必要だ

東京の地下鉄は、車両基地に限らず、いわゆるゼロメートル地帯を行く区間が多くある。いずれにせよ、以前の記事「豪雨の『水没リスク』、都内地下駅の対策は?」(2018年8月29日付)で述べたように、地表が浸水した場合、防水扉や止水板などで地下への浸水を完全に防げるかが重要となる。

綿密な減災計画が必要

JRの車両基地(東京23区の例)では、荒川ほか最寄の河川、高潮による被害想定となっている。

東北本線や高崎線などの車両が所属する尾久車両センターの浸水が、荒川が氾濫することにより3m未満と深い。南側には、東北・上越新幹線の東京新幹線車両センターがあり、こちらは0.5m未満なのだが、この違いは標高差によるようだ。

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田町―品川間に広がる東京総合車両センター田町センターも1m未満の浸水想定である。こちらは洪水のほか近くの東京湾からの高潮も想定されている。

私鉄は、23区内に車両基地が少なく、下町にある京成電鉄高砂検車区が、高潮での3m未満(洪水では1m未満)だった。

台風襲来などでの荒川氾濫が危惧される場合、数日前から交通機関や行政が事前に取る行動として「荒川タイムライン」が検討されている。それには、水没のおそれのある車両の避難なども含まれる。

そのためには、より前倒しの計画運休なども必要となろう。その間に車両を浸水のおそれのない所に移動させるのである。場合によっては、計画運休したもののさほどの暴風雨とならず、計画運休が空振り、となる事例も出てくるかもしれない。だが今回の長野車両センターでの新幹線車両水没を機に、計画運休の社会的理解、関係機関でのより綿密な減災計画の策定が望まれる。

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