貧しくても「読む力」があれば世界は変わる ブレイディみかこ×新井紀子「教育」を語る
新井:1問しか間違えなかったというのはすごいんですよ。某有名雑誌の編集長は、具体例同定の理数問題は零点だったと言ってました。
ブレイディ:そうなんですか。
新井:ええ。だから、ブレイディさんは読めてるんです。
読解力と偏差値は相関する
ブレイディ:私は一般に進学校と呼ばれる高校の出身ですけど、塾にも行ったことがなくて、勉強も全然していませんでしたよ。
新井:だから、読めたから入れたんですよ。読解力と偏差値は相関するんです。
ブレイディ:だから、別に塾に行けなくたって、読む力さえ身に付ければなんとかなる。そういう子どもがこれからたくさん出てくれば、日本だけじゃなくて、世界が変わるなと思いました。
新井:ところで、なぜ、イギリスの人たちがブレグジット(イギリスのEU離脱)を選択したのかを聞き取りされたブレイディさんの調査の手法は、統計学的に正しい方法です。それで、よくわかったんですけど、つまり、「俺たちに票をくれるんだったら、それはやるぜ」ということですよね。
ブレイディ:そこがロックなんですよ。いい悪いは別にして、とりあえずやっちゃうロックが出てしまって。
新井:どうせ今最低なんだから、これより悪くはならないんだから、みんなが最低になったらかえって平等になっていい、というようなことを言ってますね。
ブレイディ:やけくそとも言うんですけれどね。