異常気象に企業も本気で対峙せねばならない訳 当たり前を再度根本から問い直す必要がある
台風19号が関東・東北地方を襲い、河川の氾濫や堤防の決壊などによって甚大な人的・物的被害が発生しました。
こうした異常気象は世界中で起きており、多くの人々の生活に影響を及ぼし、多大なる経済的打撃を与えています。読者の皆さんも「人間」としてだけではなく、「動物」として本能的に地球環境が大きく変化しつつあることを認識しているのではないでしょうか。異常気象はニューノーマル化したと言っても過言ではないかもしれません。
アンドリュー・S・ウィンストンは、著書『ビッグ・ピボット-なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか』の中で、「迫りくる異常気象、逼迫する資源、否応なく求められる透明性……もしあなたがこれらを現実の脅威であると信じるなら、これまでエコビジネスとかサステイナビリティーと呼ばれていた分野を、脇役の部署や、商売上のニッチな会話にとどめつづけることはできない。そのかわりに、我々はピボットしなければならないのだ」と述べています。
「ビッグ・ピボット」とは根源的な「大転換」を意味するキーワード。地球環境問題は、企業においても、もはや社会貢献活動やCSRの一環といった言わば脇役から、ビジネスの中核から対峙すべき課題になっているということなのです。
「気候変動」「資源」「よりスマートな化学」
このような中で、多様性を重視し、地球環境問題への取り組みにおいてもグローバルのトップ企業であるアップルでは、利益の一部を環境団体へ寄付するといった手法ではなく、製造・サプライチェーンなど自らの事業の中核で地球環境問題へ対峙しています。
アップルでは経営の核となる6つの価値観が設定され、それぞれ独自サイトも公開されていますが、そのうちの2つとして「環境」と「サプライヤー責任」が掲げられています。
「環境」に関しては、サイトによれば、「真に革新的な製品は、地球に影響を与えることなく、世界を変える」というミッションのもと、「気候変動」「資源」「よりスマートな化学」という3つの重点領域が設定されています。「気候変動」では事業活動や製品ライフサイクルすべてでCO2排出に責任を持つこと、「資源」では工場オペレーションや製造で地球資源を保護すること、「よりスマートな化学」では製品は従業員やユーザーなど誰にとっても安全であることが謳われています。
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