今は「リーマンショック物語」の続編が進行中だ バブルに乗る「悪質な確信犯」と犠牲者は誰か

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さて、ここからは恒例の競馬コーナーだ。3歳馬のクラシック最後の菊花賞(10月20日(日)、京都競馬場11R、距離3000メートル、G1)は、近年2000メートルから2400メートルで速くて強い馬が好まれるようになった影響で、牡馬の最強クラスが出走しないケースが増えてきたが、強い馬が勝つレースだ。

もう一度、ぐっちーさんにご登場頂こう。

山崎「ぐっちーさん、菊花賞を教えてくださいな」

山口「ヴェロックスが強いんでしょ。ヘッジだの、展開だのと、細かいことを言わずに、ヴェロックスでドーンと勝負するのが、男ってもんじゃないですか!」

なるほど。前走、後の種牡馬価値を考えると王道距離の2400メートルで連敗の許されないサートゥルナーリアがピカピカの好仕上げであった一方、ヴェロックスはトライアル仕様でもう一息の状態に見えた。それでも2着は外さなかったので、力は抜けている。当然の本命だ。しかし、単勝を勝っても低オッズだろう。大勝負!はお勧めしない。

菊花賞は「変化の幅」が大きい「穴馬」にも注目

「細かいこと」を考えてみよう。

対抗には、生前のぐっちーさんと親交があったらしい武豊騎手が乗るワールドプレミアを採る。前走でヴェロックスとの力関係がよく分かっているだろうから、大人の騎乗で上位に来ると期待する。

単穴は、ニシノデイジーに注目する。鞍上がクリストフ・ルメール騎手に変わり、今回のメンバーでは「変化の幅」が1番大きい。「変化の幅」が大事なのは、競馬も株式投資と同じだ。

以下、押さえにはクリストフ・スミヨン騎手騎乗のヒシゲッコウ、京都の3000メートルで有利な1枠を引いたザダルとしておこう。

山口「山崎さん、細かいねぇ。でも、競馬も投資も、自分のスタイルを変えないことが大事でございます。ご幸運を祈りますよ!」

山崎「ありがとうございます」

ぐっちーさんと、もっと競馬場に行きたかった。男らしい賭けっぷりと、豪快な笑い声が懐かしい。

山崎 元 経済評論家

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やまざき はじめ / Hajime Yamazaki

1958年札幌市生まれ。東京大学経済学部卒業。経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員、株式会社マイベンチマーク代表(投資と投資教育のコンサルティング会社)と複数の肩書を持つ。三菱商事、野村投資信託、住友信託銀行、メリルリンチ証券など計12回の転職経験を生かし、お金の運用、経済一般、転職と自己啓発などの分野で活動中。著書に『超簡単 お金の運用術』(朝日新聞出版)『「投資バカ」につける薬』(講談社)『お金がふえるシンプルな考え方』(ダイヤモンド社)など著書多数。馬券戦略は馬連が基本。【2024年1月5日編集部追記】2024年1月1日、山崎元さんは逝去されました。心から哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りします。

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