山口「金は集まるけれども、運用に困っていて、中途半端に専門家を気取っている分外資のセールスには弱い日本の大手金融機関は、前回以上に買っていますね。あれを売るのは、私はもう嫌だけど、彼らは相変わらずいいお客さんですよ」
山崎「○○○○金庫とか、×××××銀行、なんて名前をよく聞くけど、あの辺り?」
山口「お客様の名前は、私の口からは言えませんよ。死人に口なしってことで勘弁して下さい」
天国に行ってもぐっちーさんは、骨の髄までプロの金融マンだった。顧客の名前は死んでも言えない。しかし、今回、日本の金融機関はゼロ金利・マイナス金利で運用に困っており、どうやら「毒まんじゅう」の大手の買い手であるようだ。
ドラマの筋書きでは、事件のスケールを感じさせるために無駄にたくさんの人が死ぬような形で、あまり同情されない被害者がよく出て来るが、今回はその種の役に多くの日本人(日系金融機関)がキャスティングされている。
信用度の低い社債を発行しまくる「ずる賢い経営者たち」
一方、前回のサブプライム問題のストーリーには、住宅ローンを返せなくて家を手放すアメリカの低所得層が「同情を買う可哀想な人の役」で出て来た。CDOは、彼らに向けた住宅ローンを束ねて、一見低リスクに見えるように作り込まれた商品だった。
ところが、今回のCLOの中に組み込まれているブツは、信用度の低い企業が発行した社債であり、その担い手は企業の経営者だ。はっきり言って、お金をたくさんもらっているずる賢い人達だ。社債がデフォルトしたり、企業が破産したりした時には、すでに企業から逃げているか、少なくとも個人資産は別の場所に逃がしているかなので、全く同情出来ない。
東日本に台風が来ていた10月13日の日曜日の『日本経済新聞』の朝刊一面に、「資金吐き出す株式市場」、「過去5年『自己株買い>調達』200兆円」と、世界の(ということは主にアメリカのなのだが)株式市場で、企業が自己株買いに励んでいることが報じられていた。
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