日立は、なぜ「ディズニー」とタッグを組むのか 東原社長が明かす「IoT活用」の可能性とは?
――ライバルのドイツ・シーメンスはIoT基盤「マインドスフィア」を展開し、日立より導入コストが低いです。
シーメンスは工場やその周辺に特化している。日立はそこで競争するのではなく、ルマーダはそのうえにある。例えば、ある企業が複数の工場を所有し、ヨーロッパで100万個、アジアで200万個、日本で100万個造っているとしたとき、ルマーダにつなぐと、どこの市場でどれだけ売れそうか、どこで生産するとロジスティクスも含めて安いかなどを含めて全体最適がわかる。
つまり工場ごとにターゲットを絞った最適化はルマーダではあまりやっておらず、もっと全体最適を目指している。そういった意味では、シーメンスとつないでも別にいいわけですよね。
GAFAをライバルと思ったことはない
――デジタルで効率化するスマート工場化などは、ほかのIT企業なども参入しています。
日立が持っている鉄道車両やその運行管理、自動車やエレベータなど制御技術(OT)とからめたITでは他社には負けない。工場の自動化だってわれわれはできるし、それに全体最適をひっつけたらそれは負けないと思う。今度、(ロボットSI事業を手がける)アメリカのJRオートメーションテクノロジーズを買うので、ロボットの最適化もできるようになる。
もっともIT系だけで処理できる分野もあり、それはほかの企業でもできるので参入障壁は高くない。そこは課題解決するために顧客と上流から一緒に解決していくパートナーシップを早く組んで他社と戦っていく。ただIT企業は実際の運用になるとITのオペレーションはわかるけど、実際の工場の泥臭いプロセスはなかなかわからないだろう。
――GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)はライバルになりますか?
日立だけですべてやれる時代ではないし、ルマーダもオープンでエコシステムみたいな形になっている。マイクロソフトのアジュールなど各クラウドとも連携しており、全部パートナーだ。起点はお客様視点なので、お客様が何を欲しがっているか、その課題を解決するためにパートナリングしながら提供していく。それを協創と言っており、そういう時代になってきている。だからGAFAをライバルと思ったことはない。
日立製作所の株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら