日立は、なぜ「ディズニー」とタッグを組むのか

東原社長が明かす「IoT活用」の可能性とは?

――ウォルト・ディズニーと提携すると発表しました。その狙いはどこにあるのでしょうか。

世界がもっとよくなり、ハッピーになったらいい。それがディズニーとの協創の背景だ。日立は今、(社会課題をIoTなどで改善する)社会イノベーション事業を主力にしようとしている。“ハピネス”を追求して、人々のクオリティー・オブ・ライフの向上に力を入れるためだ。笑顔がもっとあふれる社会を作るという意味で、今回のディズニーとの協創は非常にマッチしている。

これは日立が目指す社会イノベーションのグッドイグザンプル(よい例)だ。ディズニーのテーマパークに行くこと自体が楽しい。ただ、そのとき人気の乗り物があって、来園時にもし止まっていたらがっかりしますよね。これを日立のセンサーを使って故障などの予兆診断をしていく。ディズニーの運用・制御技術と日立のITを組み合わせることで、稼働率を保つことができる。

顧客の課題を一緒に解決していく

――そもそも日立が進める社会イノベーション事業とは何でしょうか?

われわれが今進めているのは顧客と協創しながら課題を解決するビジネスだ。工場であれば「品質を向上させたい」「リードタイムを短くしたい」といったように、顧客の課題を聞いてそれを一緒に解決していくというアプローチが、社会イノベーション事業である。

ITイベント「NEXT2019」でプレゼンに臨む東原敏昭社長(記者撮影)

キーワードは「協創」であり、データとデータをつなぐコネクトだ。日立はIT×OT(制御技術)×プロダクトの組み合わせを持っているからこそできる。日立の社会イノベーション事業は最初プロダクト中心に展開し、がん患者を治す粒子線治療装置を納めたり、鉄道車両を納めたりしてきた。

だが、世界をみると課題は複雑化しており、ひとつの装置やひとつの会社では解決できない。そこで日立は2016年5月10日に(IoT基盤である)「ルマーダ」をローンチし、そこから顧客との協創、コ・クリエーションを進めている。

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