台風19号、東日本各地の鉄道に残した深い爪痕 新幹線車両基地に浸水、各地で土砂崩れ

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浸水した車両は、被害の状況によっては廃車せざるを得ないおそれもある。E7系・W7系1編成あたりの製造費はおよそ32億8000万円とみられ、もし何本も新造しなければならないとすれば相当なコストと時間がかかる。

E7系は、上越新幹線でも2階建てのE4系を置き換えるために導入が進んでいる。これを北陸新幹線の救済に回すことも考えられるが、もしそうなれば、2020年度末までにE4系をすべて置き換えるというJR東日本の車両計画に影響を及ぼす可能性もある。

東京―山梨間の交通遮断

東京と山梨を結ぶ幹線ルートも、複数の箇所で寸断された。

中央本線は、14日午後までに大月―甲府間が運転を再開したものの、高尾と大月の間については高尾(東京都八王子市)―相模湖間(神奈川県相模原市)の上り線、四方津(山梨県上野原市)―梁川間(同県大月市)の下り線で土砂流入が発生し、復旧の見通しが立っていない。

東京と山梨県内や長野県を結ぶ特急「あずさ」「かいじ」、富士急行線に乗り入れる「富士回遊」は運休が続いている。中央本線の大月まではオレンジ色の中央線快速列車も乗り入れ、都内への通勤利用者も多い。影響は広範囲に及ぶ。

鉄道だけでなく道路にも被害が生じており、中央本線と並行する中央自動車道でも八王子市と相模原市の2カ所で土砂崩れが発生。国道20号も橋の損壊や土砂崩れで一部が寸断されている。

山梨県内から都内に向かう方法は、道路の場合は中央自動車道を大月経由で河口湖方面に向かい、そこから東富士五湖道路を経て、御殿場から東名高速道路を利用することになる。中央道の不通で高速バスも軒並み運休となっているが、山梨交通はこの迂回ルートで臨時のバスを走らせ対応している。

鉄道の場合は、甲府から身延線で富士・静岡に出て、東海道本線または東海道新幹線を利用するという遠回りなルートを使用せざるを得ない。

今回の被災により、山梨県・長野県へのJR貨物による石油輸送も困難になる。不通が長引くことになれば、これらのエリアでは何らかの方法で石油輸送ルートを確保することも必要になってくる。

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