ゴルフクラブ「ゼクシオ」20年目で大刷新の理由 性能異なる2機種を展開、ブランドロゴも一新

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もちろん、既存のユーザーの支持も守らなければならない。その答えが2ライン展開だった。「イレブン」は60代以上、つまり従来のゼクシオファン向けの正常進化モデル。軽量で振りやすく、デザインもこれまでのイメージを踏襲している。一方、「エックス」は40~50歳向けにやや重めのスペックにまったく異なるデザインを採用した。

住友ゴムは、イレブンとエックスの販売比率は8対2と想定する。少ないとはいえ、将来へ向けて重要になってくるのはエックスの成否だ。

ゼクシオに立ちはだかるアメリカ4強

もっとも、エックスが厳しい戦いを強いられることは間違いない。若いゴルファー向けでは、キャロウェイ、テーラーメイド、タイトリスト、ピンといったアメリカの大手ブランドが激戦を繰り広げている。

キャロウェイはフィル・ミケルソン、テーラーメイドはタイガー・ウッズ、タイトリストはジョーダン・スピース、ピンはバッバ・ワトソンといった具合に、アメリカのプロゴルフツアーの有力選手を広告塔に、高性能なブランドイメージで若いゴルファーに大人気だ(ちなみにキャロウェイは石川遼プロ、ピンは今をときめく渋野日向子プロも使用する)。高齢者向けというイメージが強いゼクシオがここに立ち向かうのは容易ではない。

ブランドロゴも一新した(編集部撮影)

価格帯も異なる。ゼクシオのドライバーが希望小売価格8万円に対し、アメリカのブランドは総じて約1~2割安い(通常シャフトの場合)。しかも、アメリカブランドはおおむね1年でモデルチェンジを繰り返し、新モデルの投入に合わせて一気にマークダウン(値引き)して売り切る。価格競争力では太刀打ちできないのだ。

住友ゴムも松山英樹選手が使う「スリクソン」というアスリートラインを持っている。若いゴルファーでアスリート志向はスリクソン、エンジョイ志向はエックスで攻める作戦だが、気に入ったクラブならあまり価格を気にしない、エンジョイ志向のゴルファーがどの程度存在しているのか。そうしたゴルファーを作り出せるかも課題となる。

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