混雑が残念な京都、狙い目は京阪「石坂線」だ JR西日本が「不死鳥の寺」三井寺で特別企画

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7世紀の創建と伝わる三井寺は、飛鳥から大津京に都を移した天智天皇ゆかりの寺。正式名称を長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)という天台寺門宗の総本山だ。かつて比叡山延暦寺との対立や源平の争い、南北朝の内乱、豊臣秀吉による弾圧と何度も破壊されたが、その都度よみがえったことから「不死鳥の寺」と呼ばれる。西国三十三所観音霊場巡りの14番札所でもある。

貴重な文化財を特別公開

JR西日本は12月8日まで、三井寺を舞台に歴史散策を楽しんでもらう「ちょこっと関西歴史たび」のキャンペーンを展開する。期間中は重要文化財の「金色不動明王立像(黄不動尊)」と「護法善神立像」を、国宝の金堂の内陣で特別に拝観できる。

また境内にある文化財収蔵庫で、同寺を中興した智証大師円珍(814~891年)が唐に留学した際に持ち帰った密教画像(ずぞう)「五部心観」を公開する。また唐の役所が発給した通行許可書である「過所」は中国にも残っていない、現存する世界最古の査証(ビザ)という。五部心観と、過所を含む「智証大師関係文書典籍」はいずれも国宝に指定されている。

三井寺金堂で開催した内覧会にはJR西日本と地元関係者が出席した(記者撮影)

特別企画の開催を控えた9月30日、金堂で大津市の越直美市長やJR西日本の若菜真丈京都支社長、堅田、大津の両駅長らが出席して報道関係者向けの内覧会を開催した。三井寺の福家英明長吏は「私より先代の長吏でも黄不動さんを拝んだことはないと思う。時代が進んで(特別企画で)こうして拝めることは非常に幸せなことでないか」とあいさつした。

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