ローソンが「100円タピオカ」を実現できたワケ 先発のファミマは「たっぷり」タイプで勝負
「ファミリーマートでのタピオカドリンクの歴史は、食感との闘いです。お客様からもいろいろとお叱りもいただいています。その点ではともに改良を検討しているところです」(横田氏)
今回発売の「たっぷり〜」では、容器を大容量化する必要があったことから、メーカーを変更しているものの、ミルクティーのタピオカの味とのバランスなどは従来のものに合わせたとのこと。タピオカのサイズは専門店のものを参考にしたそうだ。
しかし飲み比べてみたところ、やはり味わいにはかなり違いがあり、従来のもののほうが、よりタピオカ自体の味が濃い。またタピオカがやや柔らかいように感じた。どちらをおいしいと思うかは好みによるだろう。
しかし、原材料が不足がちな状況下にあって、さらに大容量化した商品を発売できるところが、さすが先発の強みと言えるだろうか。では、大容量化した「たっぷり〜」の反響はどうだろうか。
「今年に入って、タピオカドリンク全体の売り上げが上がっていて、前年同期比も2倍に伸びています。そこへ、7月に発売した『たっぷりなタピオカミルクティー』も、供給が間に合わないほどになっており、ありがたくもあり、申し訳なくもあり、という状況です」(横田氏)
専門には及ばないがコンビニならではの強みを生かす
やはり容量が大きいことは、客層にも影響している。コンビニの客層の比率が男女55:45のところ、従来のタピオカミルクティーは女性に人気があり、30:70。しかし「たっぷり〜」については、35:65という割合になっているそうだ。
ファミリーマートでは、チルド商品の特徴を生かした商品とすることで差別化していきたいという。
「例えば、はやっているものを、より広い地域でより手軽に手にとってもらうことができます。専門店の味をそのまま再現することはできませんから、どのように特徴づけるかというところが課題です。
チルドの大きな特徴は、飲料に固形物をプラスできること。タピオカミルクティーの専門店では、カスタマイズできることも人気の理由の1つですね。そういったところも、商品の参考にしていきたいと思っています」(横田氏)
横田氏によれば、チルド商品の魅力は「腹持ちがよいこと」だという。つまりタピオカミルクティーのように、固形物がプラスされていることが大きい。最近発売した「のむりんご酢」「ずんだシェイク」(いずれも184円税別)なども好調だそうだ。
流行が熱しやすく冷めやすいのが、日本の市場の難しいところ。タピオカは長く続いているとはいえ、またいつ低調になるかわからない。長年かけておいしさを追求してきたファミリーマートとしては、どう考えているのだろうか。
「2009年の発売以来、一定のニーズはあるんですね。すでに日常的に飲まれるものになっているのかなと思います。今はまさにタピオカブームと言われていますが、この先まったく需要がなくなる心配はしていませんし、今後もお客様の声を取り入れながら、ブラッシュアップを続けていきたいと思います」(横田氏)
コンビニといえば、今回紹介しなかったセブン-イレブンも、もちろんタピオカミルクティーを販売している。さらに、「大きなタピオカみたいな大福」など、タピオカ人気にあやかった関連商品の裾野も広がっているようだ。
タピオカミルクティー1つとっても、それぞれの戦略があり、また味わいも三者三様、微妙に異なる。専門店には及ばないながら、日常にちょっとした驚きと楽しみを与えてくれるコンビニ商品として、独自の進化をしていくようだ。
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