野党が新統一会派、「民主党再来」で終わるのか

改憲や原発、消費税で際立つ意見の相違

2年前に希望の党立ち上げを主導して挫折した前原誠司・元民進党代表も「各党派が対等な形で衆参統一会派を結成することは半歩前進」と評価しつつ、「いずれ1つの党になるのか、それとも統一会派のままで衆院選は別々に戦うのか、大きな方向性を示すことも必要だ」と指摘する。

この点について、これまで「永田町的数合わせには与しない」と言い続けてきた枝野氏は、党大会後の記者会見でも「今の段階で、何か申し上げる立場にない」とかわした。しかし、合流を望む国民とは対照的に、立憲内部は「結党2年で、また元のさやに戻るのでは国民の理解は得られない」(幹部)との声が支配的だ。

「11月20日解散ー12月15日投開票」説も

確かに、2年前の衆院選では民進党分裂の際に「排除」された枝野氏が立ち上げた新党・立憲が大躍進して野党第1党となった。しかし、野党全体としては「立ち位置がバラバラな小党乱立」(国民幹部)となり、現状の1強多弱体制を固定化させて「安倍政権の暴走を手助けする結果となった」(同)のが実態だ。

だからこそ枝野氏も参院選での立憲伸び悩みをきっかけに、それまで慎重だった統一会派結成に踏み切ったのだ。

ただ、統一会派結成の裏で、国民民主の有力幹部の桜井充元財務副大臣(参院宮城選挙区)が突然、党本部に離党届を出した。憲法や原発など基本政策を棚上げしての統一会派結成に対する不満が理由とされる。党執行部の慰留を受けて当面は統一会派に所属する方向というが、今後の展開次第では、将来の自民党入りもにじませている。国民幹部も「不満分子はまだまだいる」と不安を隠さない。

こうした混乱含みの統一会派結成を政府与党は冷ややかにみている。安倍首相にとって当面は臨時国会の乗り切りが最優先課題となるが、自民党内には「立憲を軸とする統一会派結成で臨時国会での憲法論議がまったく進展しなければ、首相が解散に打って出る」との見方も出る。首相は11月20日に史上最長政権という勲章を手にするが、それに合わせた「11月20日衆院解散―12月15日投開票」説も流れ始めている。

もちろん、改憲論議に消極的な立憲などへの脅しとみられているが、野党陣営でも「年末の解散・総選挙となれば、統一会派などは役に立たず、野党はバラバラで戦わざるをえない」(社保幹部)との怯えも目立つ。解散時期は「東京五輪開催を受けての来秋が本命」(自民幹部)で、それまでに統一会派を合流新党に移行させるのも「現状をみる限り至難の業」(立憲幹部)だ。

枝野、玉木両代表にとって「これからの1年は、進むも地獄、退くも地獄の厳しい試練が続く」(首相経験者)ことは避けられそうもない。

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