「フォーエバー21破綻」物語る若年消費の変化 ファストファッションは終焉を迎えたのか

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フォーエバー21が直面している課題は、モールが衰退していることからきているのか、ファストファッションへの興味が廃れたことが原因なのか、という問いに対してチャン副社長は「どちらも少しずつあると思う」と話す。

「レンタル市場やリセール市場などといった話を耳にすることもよくあるし、間違いなく何らかの変化は起きているのだと思う」とチャン氏。「ファストファッションは今でも巨大市場ではあるが、われわれは物事の先を行っているという確信が欲しいのであり、消費者たちが変化していく今この瞬間、同じところにとどまっているということはしたくない」。

ゆくゆくは2人の娘に引き継ぐ計画

デザイナー商品を即座に模倣しようとするフォーエバー21は、長年にわたり著作権や商標権関連で複数の訴訟を起こされてきた。つい最近も歌手のアリアナ・グランデから、「そっくりなモデル」を使って彼女が同社の商品を宣伝しているかのように見せたとして訴えられている。同社は、会社再建の期間に進行中の訴訟がどのように処理されるかについてコメントすることはできないとしている。

破産で浮かび上がろうとしている情報は小売業界の興味の的となることだろう。フォーエバー21は、アメリカ中のショッピングモールに拡大したり、他国に進出したりするときでさえ、結束の固い企業文化を維持してきた。

ドン・チャン氏とその妻はめったにインタビューに応じることはないが、フォーエバー21の鮮やかな黄色のショッピング袋にはどれも聖書の1節を指す「John 3:16」の文字が印刷されており、自分たちの信仰を示している。チャン夫妻は長らく会社を2人の娘に譲り渡すことを計画してきた。もっともチャン副社長は、自分と妹は同社ために働き続けるつもりではいるものの、両親から会社を引き継ぐかどうかについてはまだ語れない、としている。

「両親はすばらしいブランドを築き上げた」とチャン副社長は言う。「ファストファッションと聞いて、多くの人々の頭の中に思い浮かぶブランド名はほんの一握りしかない。そして、そのトップリストに入っていることが、実に驚くべき功績だと言える」。

(執筆:Sapna Maheswari記者)

(C)2019 The New York Times News Services 

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