短時間で高収入の「副業」がジワリ広がる仕掛け

専門知識求む企業と人が出会う土台が整った

一方で、同アンケートでは「勤務先が副業を容認している」と答えた人は23%にとどまった。企業側の環境整備や理解が進んでいない側面はあるが、日本の雇用慣行である終身雇用は限界を迎え、年金不安なども重なって副業で本業以外に収入源を確保しておきたいと考えているビジネスパーソンは少なくない。

こうした中でも高度な専門性を持ったビジネスパーソンの間で、にわかに広がっているのが立花さんが利用するようなマッチングサービスだ。自分が得意とする分野の専門家として、それを必要としている企業にアドバイスする。これまでのビジネス経験や知識を活用でき、比較的短時間で高収入が得られ、集客も宣伝も投資も必要ないというメリットがある。

こうしたマッチングサービスはビザスク、みらいワークス、i-common、プロの副業などが展開している。以前は数社に満たなかったが、筆者の知る限り、現在は17社に上る。同様に登録者数も数千人に上っている。

村上健司さん(仮名、48歳)は都内の一部上場企業の現役管理職だ。約10年前に中小企業診断士の資格を取得していたが、これまで活用したことがなかった。せっかく資格があるのだから中小企業の支援ができればと、マッチングサイトに登録した。

すると自分が勤める会社で長期間担当してきたサプライチェーンマネジメントに関する専門案件を紹介された。村上さんは依頼企業を訪問し、社長と担当者に2時間ほどレクチャーしたという。この仕事は1カ月当たり5万円の報酬で数カ月間続いた。村上さんは「自分の頭の中の知識がこれほど依頼企業にとって感謝されるものだったということに驚いた」と話す。

ITが企業ニーズと人をつなげた 

企業のピンポイント的なニーズと専門分野を持ったビジネスパーソンを結び付けられるようになったのは、ITの進化あってこそだろう。

従来こうした専門的なノウハウや知識を得たいという企業からのさまざまなニーズは存在していた。中小企業では自社の抱えている課題を自社内では解決できない場合もあるからだ。かといって社外にその道の専門家を求めるとなると相応の費用が必要になる。専門家を社員として採用できるのは限られた企業だけだった。

そしてこれまでは安価で企業のピンポイントな専門ニーズをかなえてくれる人材を探し出すのは非常に困難だったが、そのような企業側のニーズとその道の専門知識を持つ人材を結び付けるマッチングサービスが登場した。

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