高島屋、中国・上海出店に勝算はどのくらいあるか?
百貨店大手の高島屋が中国・上海市への出店を表明した。
上海市系のデベロッパーである中華企業有限公司グループと組み、同デベロッパーが開発する上海市長寧区古北新区に建設中火大型ビルの1F−7Fを貸借。店舗面積約4万平方メートルの大型店を出店、2012年の開業を目指す。貸借の形をとるため、投資額は40億円を予定。この出店規模としては初期投資はかなり抑制されている。
高島屋は国内20、海外3店舗を有する。海外出店は1958年の米国ニューヨーク、93年のシンガポール、94年の台北に次いで4店目となる予定。同社はニューヨークの5番街に日本の百貨店として初めて出店するなど、業界の海外進出では先鞭を付けてきた。特にシンガポールでは当初苦戦しながらも、現地のニーズを汲み取り存在感を示している。
今回、出店が予定されている場所は、地下鉄が2路線計画され、ビジネスエリアとしての発展が見込める地域。さらに周辺には開発富裕層や外国人駐在員も数多く住む上海市屈指の高級住宅地域だ。少子高齢化で日本の市場は縮小が予想されるだけに、中国を中心とするアジア展開に今後の成長戦略を求める戦略は理解できるところだ。
ただ中国での日本の百貨店の実績を見ると、必ずしも成功しているとはいえない。昨年12月には伊勢丹が1993年に出店した中国第1号店の「上海華亭伊勢丹」を閉店し、中国の出店数は5店から4店に減少した。地元資本に加え、香港・台湾系の百貨店との競争も激化しており、出せば必ず儲かる、というわけではない。果たして現地のニーズをつかめるかどうか。高島屋の中国1号店は、同社の海外戦略のみならず、日本の流通業の未来を占う一つの試金石にもなる。
(福井 純)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.02 1,042,711 37,699 42,070 18,697
連本2009.02予 975,000 24,000 27,000 10,500
連本2010.02予 925,000 16,000 19,000 10,000
連中2008.08 488,217 14,088 16,187 8,788
連中2009.08予 440,000 7,000 9,000 5,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2008.02 56.7 10
連本2009.02予 31.8 10
連本2010.02予 30.3 10
連中2008.08 26.6 5
連中2009.08予 15.2 5
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